人生が変わったU18侍ジャパンの三日間
U18侍ジャパン候補合宿の紅白戦では2回を被安打1、3奪三振で無失点と、全国から集まった好打者を相手に見事なピッチングを見せた高橋。しかしこれだけの結果を残しながら、衝撃を受けた選手もいたという。
「一番印象に残っているのは大阪桐蔭の境(亮陽)です。ストレート、ストレートで追い込んで、最後はスライダーで自分としても『決まった!』という手応えのあるボールでコースも良かったんですけど、簡単に芯でとらえられました(結果は強い当たりのピッチャーゴロ)。左バッターであのスライダーを簡単に合わせられるのはビックリしました」
この春の練習試合では八戸学院光星、仙台育英などの強豪とも対戦。その度にスカウト陣も視察に訪れているというが、そんなプレッシャーの中でも成長は実感できている。
「冬の間に下半身強化とフォームのバランスを良くするというのは重点的にやって、ストレートのスピードも質も上がったと思います。変化球では上林先生からカーブが良くなればもっとストレートも良くなるんじゃないかということを言われて取り組んできて、カーブも自信がつきました。U18合宿の後はスカウトの方や取材が来ることも増えて、3日間で人生変わったなという感じがします。でもそのことで自分の意識も変わりましたし、プレッシャーを感じることもありますけど、自信になったことの方が大きいです。ただあまり周りのことを考え過ぎると調子に乗ってしまうので、そこは気をつけないといけないなと思っています」
北海道はシーズンが始まるのは遅く、公式戦がスタートしたのは5月に入ってからだが、それまでの練習試合でも自己最速を更新する147キロをマークしており、コンスタントに140キロ台中盤を記録するなど、順調に調整を続けているという。周囲からの注目が高まる中でも、自分を見失うことなくプレーできていると言えそうだ。
最後にこの夏、そして今後への意気込みを高橋に聞いた。
「まずは夏しっかり勝って甲子園に出ること、上林先生の甲子園初勝利をあげることが目標です。その後はプロに行って、将来的には世界中の人々を楽しませるような選手になりたいです」
(取材・写真/西尾典文)
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