トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(29)

2016.1.22

 こんにちは。リトルロックハートのコーチ、大友です。
 29回目となるK君のコーチングは、リーティングアームのエイミング動作の改善をテーマに進めていきました。

 リーディングアームとはグラブをはめている方の腕のことで、エイミングとはこの腕を、捕手方向に突き出す動作のことです。まず写真をご覧になってみてください。1枚目の写真が良い形で、2枚目の写真が悪い形です。

  狙いを定めやすいエイミングの形

  狙いを定めにくいメイミングの形



 まず1枚目の写真は肩関節が内旋された状態で、腕が前へ突き出されています。ちなみにエイミングとは「狙いを定める」という意味で、ライフルのスコープのような役割を果たします。つまりエイミングの形が良くないと、キャッチャーミットに対して上手く狙いを定められない、ということになってしまうのです。

 エイミングの良い形はリーディングアームの肩をしっかり内旋させ、肘はほんの少しだけ曲げて、手首は真っ直ぐ、もしくは掌屈させた形です。ちなみに手首が手の甲側に曲がってしまうと、肩関節の内旋外旋が非常にしづらくなるのです。ですので手首は真っ直ぐか、掌屈(手のひら側に曲げる)させておく必要があります。

 2枚目の写真は、形が明らかに1枚目とは異なりますね。まず肘は曲がり過ぎてしまっていて、突き出す場所もキャッチャーミット側ではなく、一塁側に出してしまっています。これではスコープの役割を果たすことはできませんので狙いが甘くなり、制球力が低下してしまいます。また、この形では肩関節の内旋外旋もしづらくなりますので、投球時に肩肘にかかる負荷も大きくなってしまいます。

 中には並進運動が慌ただし過ぎて、エイミング動作を取る時間がないという投手もいると思います。そういう場合は上半身がかなり突っ込み、腕が先走った状態で動いてしまっている可能性がありますので要注意です。ワインドアップやセットだけではなく、クイックモーションであってもエイミングの形は良い状態にしていくことが大切です。

 K君も最初は一塁側に出してしまう癖が強かったのですが、今ではしっかりと投げたい方向に突き出せるようになってきました。エイミングが良い形になると、その次のスクロール動作も繋げて良い形にしていくことができます。ですので読者の皆さんも、もしエイミングを横に突き出している状態でしたら、投げたい方向に突き出していくように修正してみてください。すると狙いを定めやすくなり、制球力も改善されると思います。





  



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