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アジアの頂点に挑むU-15侍ジャパン

2015.10.7

アジアの頂点に挑むU-15侍ジャパン

「第8回BFA U-15アジア選手権」が10月8日から5日間、静岡県伊豆市の志太スタジアムで開催される。出場する国と地域は、日本、チャイニーズ・タイペイ、韓国、中国、パキスタン、タイの6チーム。総当たりのリーグ戦を行い、勝ち点方式(勝=2点、負=0点、引き分け=1点)で最終順位を決定する。
 使用球はKWBボール(素材は軟球と同じゴム製で、重さ・大きさが硬球と同じ)。「軟式と硬式をつなぐ架け橋」ともいわれるボールで、中学野球部を引退したあとの3年生が使うことが多い。
 大会は今年で8回目となるが、チャイニーズ・タイペイが優勝5回と圧倒的な強さを誇る。日本は2008年の第5回大会で、一度だけ優勝を飾っている。ちなみにこのときも伊豆での開催だった。
 日本がなかなか勝てないのはチーム編成の違いもある。第4回大会(2006年)までは高校2年生の早生まれ、第5回大会(2008年)以降は高校1年生の早生まれまで出場が認められており、チャイニーズ・タイペイや韓国には早生まれの高校生が混じっている。しかし、日本の場合は高野連との関係もあり、高校生の出場が現実的に不可能。今年は2000年1月1日以降に生まれた選手が、出場資格を持っていることになる。


前回は仙台育英・佐藤世那が右のエース

 前回大会は2012年にインドで行われ、チャイニーズ・タイペイが優勝。日本は2勝2敗の2位で終わった。2敗はチャイニーズ・タイペイのほかに、インドに喫したもの。この敗戦は、野球関係者に衝撃を与えた。
 インドの代表選手は、国技であるクリケットをやっている選手が主体で、打ち方もクリケットそのものだったという。
「ボールをミットに入れさせないというバッティング。ワンバウンドのスライダーでもヒットにしてくる。日本では考えられないような打ち方をしていました」と語るのは、同行した近藤義男先生(千葉市立天戸中教頭)だ。日本KWB野球連盟の専務理事を務めている。
 このインド大会で、右のエースを務めていたのが、今夏の甲子園で準優勝を遂げた仙台育英の佐藤世那(宮城・仙台育英秀光中)だ。左のエースは、今春センバツで活躍した浦和学院の江口奨理(埼玉・戸田市立新曽中)だった。野手では常総学院でクリーンアップを打った石井大貴(茨城・下妻市立千代川中)や、今治西の投打の中心・杉内洸貴(今治市立立花中)らが選ばれていた。

  今春センバツで活躍した浦和学院の江口奨理投手(写真は埼玉・戸田市立新曽中時代)


代表選手は全国大会を経験した18名

 前回のインド大会から、トップチームと同じ「侍ジャパン」のユニホームを着用し、侍ジャパンU―15代表としてアジアの頂点に挑んでいる。
 代表選手は18名。春夏の全日本少年軟式野球、夏の全国中学校軟式野球大会、夏秋のKWB全国大会に出場した選手のなかから選出された。
 指揮を執るのは、千葉ファイターズ(県選抜)を率いて、昨年行われた第9回KB野球秋季大会を制した伊藤将啓監督(習志野市立第一中)。前任の習志野市立第七中では関東大会ベスト8に入るなど、県屈指の強豪に育てあげた実績を持っている。選手時代は、習志野高校のキャプテンを務めていた。
 伊藤監督の特徴は、足を生かした野球で試合の主導権を握ること。今大会でも、足をからめた機動力が勝敗のカギを握っていきそうだ。



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