トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(9)

2015.7.9

 こんにちは。野球塾リトルロックハートの大友です。K君9回目のコーチングとなる今回のテーマは、ワインドアップについて指導を進めていきました。

 近年制球を気にするあまりなのか、プロアマ問わず常時セットポジションで投げる投手が増えてきました。しかしセットポジションでは全身を使って投げることが難しいのです。そのためにワインドアップよりもセットポジションの方が、同じ力感で投げたとしても一般的には球速が5キロ程度低下してしまうのです。そして全身を使って投げることが難しい動作では、どうしても上半身投げになりやすいんです。ワインドアップよりもセットポジション、セットポジションよりもクイックモーション、クイックモーションよりもプラントレッグという順番で上半身投げになりやすいんです。

 ということは、小学生の時からセットポジションやクイックモーションの練習を必要以上に繰り返してしまうと、自然と上半身投げの形が体に染み付いてしまうということになります。三つ子の魂百まで、ではありませんが、小学生時代に身についた動作の癖を成長してから改善しようとすると、本当に時間がかかってしまうのです。だからこそ小学生の頃から、もしくはまだ体が成長段階のうちからしっかりと良い動作を癖付けておく必要があるのです。

 さて、それではワインドアップの形の話になりますが、ワインドアップが良いと言っても、ただ振りかぶれば良いというものではありません。ワインドアップは、どんなに深くても後頭部の上部程度の深さで留めておく必要があります。よく振りかぶった際に上腕三頭筋を伸ばし切り、グラブを首元まで下げている投手を見かけますが、これは良い形のワインドアップではありません。

ワインドアップの悪い形



 その理由は、ここまで下げてしまうと最下部で動作が一時停止してしまうのです。すると動作の連動性(キネティックチェーン)が失われてしまい、グラブを胸元に戻してくるのに腕力を使う必要が生じます。するとこれが余分な動作となり制球力を低下させ、さらにはただスタミナを消耗するだけの無駄な動作になってしまうというわけです。ですのでワインドアップでは決して動作を一時停止させることなく、動作の連動性を大切にし、写真を参考にしてグラブを下げ過ぎないように注意をしてみてください。そうすればもったいない形ではなく、まさに球威をアップさせられる良い形のワインドアップモーションを取れるようになるはずです。

ワインドアップの良い形1

ワインドアップの良い形2






   



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