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【山梨学院】吉田洸二監督|「交流試合」で気付かされた、監督が作り出す雰囲気の大切さ

2023.7.23

甲子園は楽しまないと力が出ない場所



――今年のセンバツで優勝したことで、吉田監督自身、気付いたことはありますか。

吉田 ありますね。「甲子園球場は、楽しまないと力が出ない場所」ということです。「絶対に勝ってやる!」と気合いを入れても、力が出る場所ではないと思います。

――それは、「勝敗を度外視するわけではなく」ですね。

吉田 そのとおりです。勝つための準備をとことんやったうえでの話です。「勝ちたい!」とみんなが思っている場所だからこそ、野球を楽しむ気持ちが大事。監督の心の持ちようや言葉によって、選手の心はどちらにも振れていくように感じます。自分自身わかっていたことではありますが、今回のセンバツで改めて実感しました。本当に光戦の後半からは、試合がうまく回り始めたというか、生徒たちが伸びやかに戦ってくれていました。

――無類の強さを発揮する秋季関東大会のような流れで、得点が入っていましたね。

吉田 山梨学院に来てから、甲子園で一度、本当に楽しく試合ができたのが、2020年の交流試合でした。トーナメントではなく1試合勝負だったので、「ここでこの選手が打ったら、得点が入るだろうな」という感じで、チームがワクワクするような打線を組みました。そうしたら、どんどん得点が入って、いい試合ができたのですが、私の中では「優勝がかかっていない交流試合だからできたこと」という感覚でした。そこで、監督が作り出す雰囲気がどれだけ大事か気付いていれば、よかったのですが。

――センバツを制したことで、「甲子園で勝てない」と言われることももうなくなりますね。

吉田 10年間、山梨にお世話になって、甲子園に出るたびに期待を裏切ってきたので、今回の優勝で少しは恩返しができたかなと思います。(写真:編集部)

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