学校・チーム

【高校球児のための大学野球部ガイド】和歌山大学硬式野球部、キャプテンインタビュー

2020.2.3

高校球児のための大学野球紹介も9校目!今回は国立大学ながら17年の秋に明治神宮大会でベスト8まで駆け上がり旋風を巻き起こした、和歌山大学硬式野球部を紹介!チームをまとめる二田幸洋主将にお話を聞きました。


福岡県の久留米商から和歌山大に進むきっかけとなったのは、高校の1年上の仲の良い先輩からの紹介だった。「野球部の監督に詳しい話を聞くと練習会があることを聞きました。参加してみると、すごく良い雰囲気の中で練習していたんです。でも、明るいけれどやる時はやる。ここでやってみたいと思って決めました」。

グラウンドは両翼75m、中堅100mの広さの中で、アメフト部とグラウンドは共用。週に2度しか全体練習ができず、“恵まれていない”というイメージが先行してしまう。二田主将は、その状況に危機感を募らせていた。
「高校時代は恵まれた環境だったんだなと感じました。ただ、そんな環境だから負けたとか優勝できなかったとか、逃げ道を作りたくないんです。平日でも2、3時間練習できることが少ないのではなく、それだけの時間を与えてもらっていると考えて、その時間をいかに効率よく使うか。他の大学に比べたら確かに劣る部分はありますが、グラウンドは狭くてもボールもゲージもありますし、2日間しか全体練習出来ない分、一層集中して練習しようと思えます。野球ができることに感謝しないといけないなと思いました」。

全体練習は全員が集まるのが16時半ごろだが、授業の並びによって早く集まれる選手は各自でアップを済ませ、全体練習へ。それぞれの課題に沿った練習内容がメインにはなるが、全体練習は、連係プレーや基礎練習(ゴロ取り)パート練習などが主で、なるべく全員でしかできないことを行っている。

甲子園出場経験のある選手もいるが、鳴り物入りで入部した選手がいる訳ではなく、決してレベルが高いとは言い切れない。だが、大事なのは野球に向かう合う姿勢だ。「自分達の大学は高校時代に試合に負けた以外に悔しい思いをした選手が多いんです。自分は高校3年の夏にベンチに入れませんでした。だから、大学ではやってやろうという意識が人一倍強いと思っています」。

厳しい上下関係がなく、和やかな雰囲気が和歌山大の特徴だが、しんどい時こそいかに明るくできるかを考えている。「自分たちが1年生の時に神宮大会でベスト8に進んだので、目標は日本一しかないですが、どうやったら日本一への取り組みができるかを常に考えています。ただ、試合に勝つには技術だけではない。目的は人間力を高めること。人としてどれだけ当たり前のことをできるかも大事だと思っています」。

大原弘監督は「大学を卒業して社会人5年目として働けるよう、成長できる4年間に」と話す。二田主将も「そうならないとこの野球部にいる意味がない」と思いは同じだ。試合で勝つには野球の技術だけではなく、人間力を磨く。野球を通しての学びを大切にする選手たちが集まり、ひとつの目標に向かっている。(取材・文/写真:沢井史)
 
次回は和歌山大学硬式野球部員3名による選手座談会をお届けします。


「大学野球紹介」関連記事



PICK UP!

新着情報