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【愛工大名電】強打も武器にした紫軍団、「バント練習はしていない」

2018.7.6

2013年を最後に甲子園から遠のいている愛工大名電(愛知)。2004年にセンバツ甲子園で準優勝、さらに翌春に優勝したときは、徹底したバント戦法が話題になった。しかしここ数年、好投手に栄冠を阻まれてきた経緯もあり、現在は一転して“強打”へと舵を切っている。東邦や中京大中京などライバルを打倒し、王座奪還へ。名電野球の変容と、その練習をレポートする。


「バント練習はしていない」

愛工大名電といえば、バント――。そのイメージは今、大きく変わってきている。
「バント練習は今年、一回もやってない。以前はたくさん数をこなす練習をバントでもしていたけど、今はやってない。練習試合がバント練習の場みたいなものかもね。でも春先の練習試合ではノーバントで、打って打って打ちまくってきた」(倉野光生監督)

2004年のセンバツで準優勝した愛工大名電は当時、徹底した“バント戦法”を敷いた。ランナーの有無やアウトカウント、ボールカウントにかかわらず、打者は執拗にバントの構えをした。相手の投手や内野陣を揺さぶり、打たずとも得点を重ねた。賛否を呼ぶ作戦だったが、翌年のセンバツでは全国制覇している。

5年ぶりの頂点を目指し、打撃スタイルの大きな転換を図っている倉野光生監督

しかし戦術は年々変容し、今年は長打を狙う。「打撃練習でも『転がせ』『叩け』とは言ってなくて、『飛ばせ』『振れ』。今までとはまったくスタイルの違うバッティングにしている。フライを上げると、あんなフライ打ちやがって、なんて以前は思っていたけど、今は『もっと飛ばせ』と言っているよ」(同)

甲子園で中村奨成(広陵高校/現広島カープ)が6本塁打を放ったのもきっかけだ。
「あの清原選手(和博・元西武ほか)を抜く選手が現れたということは、何かあるなと。甲子園でも本塁打がバンバン出る。バットを振るという技術、能力がすごく進化している。そういう素材の選手が、ウチの中にもいるだろうと。好投手からはなかなか連打できないし、ランナーが出ないことにはバントもできない。でもホームランや長打が一本出れば点は取れる」


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