◆強豪校が地区大会で消えた波乱
昨秋の王者、そして選抜準優勝に輝いた東海第四が、なんと北海道大会への切符を賭けた地区大会の初戦で消える波乱。さらに、昨夏甲子園に出場した北海、優勝候補の呼び声も高かった旭川実業も地区大会で姿を消し、北海道大会は新鮮なラインナップが出揃った。
混沌としたトーナメントを制したのは札幌第一。北海道大会防御率0点台と抜群の安定感を誇ったエース上出拓真投手の投打にわたる活躍が光り、2回戦は北照に6-4、準決勝は札幌日大に1-0、決勝は北海道栄に2-1と接戦をものにして、21度目の出場にして初の北海道王者に輝いた。
◆神宮大会でみえた不安要素
北海道大会では投げて、打っての大活躍をみせた上出投手が、先発を回避した神宮大会の第二回戦。変わって先発した冨樫颯大投手が序盤に痛い失点を重ねてあえなく敗戦。貴重な初勝利を手にしたものの、チームとして“上出頼み”が浮き彫りになった。
打線は“恐怖の九番打者”として神宮大会の2試合のみで7安打4打点を記録した兼村京佑選手が選抜でどの打順に入るのか注目される。また、全国の舞台では輝けなかった1年生四番の高階成雲選手は悔しい思いを選抜にぶつけたいと思っているだろう。
北海道大会では、高階選手をはじめとした1年生がメンバーの半数を占めるのが特徴的であった。伸び代のある彼らの成長が、チーム力の底上げに繋がることは明白だ。
◆躍進の影に小倉清一郎アリ
昨年春から横浜高校で長年部長を務めていた“名参謀”小倉清一朗氏の「出前コーチ」を受け、練習時の意識が一変。効率的かつ、常に実践を意識した練習を積み重ねて実力をつけてきた。
北のエース上出の甲子園初見参。そして、日本で一番厳しい冬を経て、札幌第一が甲子園でどのような成長を魅せるか楽しみである。