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周東佑京(福岡ソフトバンクホークス)|プロ野球選手に聞いた!バッティングにまつわる一問一答

2026.4.29

プロ選手たちはパフォーマンスを発揮するためにどのような意識でバットを選び、練習に取り組んでいるのだろう。日本球界を代表する2人のトッププロに取材した。


打球速度にフォーカスした2025年

――昨シーズンは規定打席未到達ながらキャリアハイの打率.286、日本シリーズでは第2戦で1試合5安打と打撃での活躍が目立ちました。特別な取り組みをしていましたか?

周東 打球スピードの平均速度、最大値を上げたいと思っていました。その数字が上がればヒットになる確率も増えますから。打ち方も微調整していましたが、一番は打球速度にフォーカスした取り組みです。

――練習では何を意識していましたか?

周東 しっかり振ることです。フルスイングではないにしても、ある程度の強さで振る練習を毎日積み重ねていきました。あとは体づくりにも取り組んでいましたね。

――チームの練習でも定期的に打球速度を計測しているのですか?

周東 そうですね。練習中は必ずトラックマンで計測しますし、いろいろなところにカメラがあって、試合中でも打球速度が出るためチェックしています。時代ですね。

――BPLで測定していたときに「重さが手前にあった方が良い」とおっしゃっていましたが、理想のバットはどんなタイプですか?

周東 一昨年まではヘッドの方にバランスがあるバットを使っていました。今とは真逆ですね。測定の結果、それが自分に合ったバットではないと気づいたんです。バットを変えたらそこから成績も良くなりました。カンザスシティ・ロイヤルズのボビー・ウィットJr.モデルをメインで1年間使ってみたんですが、このバットが振りやすかったです。

――BPLでは「ムーキー・ベッツモデルが使いやすい」とも仰っていました。

周東 メチャクチャ振りやすかったです。最初、バットを持ったときは重たくて、しんどいかなと思ったんですが、振ってみたら一番バットの抜けが良かった。打球スピードも予想以上に出ていました。

WBCで上には上がいると感じた

――ヴィクタスのバットはどのような経緯で使い始めたのでしょうか?

周東 もともとMLBを観ていると多くの選手が使っているので、日本ではレアだけどメジャーではすごくポピュラーなブランドなんだなという印象を持っていました。気になっていたところ、デスパイネや川島慶三さんがヴィクタスを使っていたのでお借りしたんですよ。そしたらすごく良くて。当時はまだ日本人選手があまり使っていなくて、デザインも格好良かったので、通訳の方を経由してアメリカから入手したのがきっかけです。

――使ってみていかがですか?

周東 バットは材質が硬ければ硬いほどいいと思っていて、自分の欲しかった感覚にすごくマッチしていると感じます。音が違うと思いますよ。金属音に近い高い音で、「メチャクチャ良い木を使っているのかな」と感じました。硬くて折れにくいですし、僕の主観ですが打球スピードがメッチャ出やすいです。

――MLBの話も出てきましたが、昔からMLBは興味があったのですか?

周東 今ほどではないですが、小中学生の頃は松井秀喜さんやイチローさん、松坂大輔さんがMLBでプレーしていたので時々観ていました。イチローさんや青木宣親さんに憧れて、マネしてましたよ。

――いつかMLBでプレーしたいですか?

周東 MLBに行ける土俵にまず立たなければならないと思っています。

――周東選手と言えば前回のWBC準決勝・メキシコ戦の好走塁が印象に残ります。またWBCに出場したいのでは?

周東 もちろんです。前回はトップクラスの選手とプレーして多くのことを吸収できたので、もう一度出たいです。

――どんなことを吸収したんですか?

周東 海外の選手は体が大きいですし、日本では全然打たれてなかった(山本)由伸や(佐々木)朗希も打たれていてレベルが高いです。上には上がいるのだ、もっと頑張らなきゃと感じました。

自分を持つことがすごく大事

――高校生の頃は、自分はプロに行けると思っていましたか?

周東 いえ、全然。それこそ群馬大会の決勝で髙橋光成(前橋育英→西武)と対戦して、「こういう選手がプロに行くんだな」と思いました。手も足も出なかったです。

――東農大二高の3年間で学んだことは、どんな事でしょう?

周東 高校時代は今よりも細かったので大きい人に勝つには体を上手く使わなきゃいけないと思っていました。力が無かったのでどうやって体を使えば周囲の選手よりも速いボールを投げられるのか、速く走れるのか、打てるのかと考えていました。

――高校時代、意識して取り組んでいた練習は?

周東 守備も走塁も打撃も、全部意識して練習してましたね。1つテーマを決めて練習に取り組むんですよ。例えば走塁なら「どうしたら1塁の駆け抜けが速くなるか」とかね。足は速かったので、どうやったら三遊間にゴロを転がせるか、守備ならどうやったらうまく捕球してスムーズに投げられるかなど考えながら練習に取り組んでいました。

――最近は高校生でも公式戦で木製バットを使う選手が増えています。木製バットを使うにあたってアドバイスはありますか?

周東 ごまかしは効かないと思います。僕が高校生だった頃の金属バットは、バットの先に当たっても、詰まっても飛びました。今の金属バットはどうなのか分かりませんが、木製バットの方がごまかしが効かないのでちゃんとバットを振らないとボールが飛ばないですよね。よりバッティングについてシビアに考えるようになると思います。

――周東選手は大学に入って木製バットに変わり、苦労した部分はありましたか?

周東 苦労しなかったです。逆に木製バットの方が飛びました(笑)。僕は高校時代にホームランは1本だけでしたが、大学に入ってすぐのオープン戦で2本ホームランを打ったんです。木製バットの方が合っていたのかなぁ(笑)。

――東京農業大学第二高校から東京農業大学 北海道オホーツクキャンパスに進んで良かったことはありますか?

周東 高校は家から学校まで遠くて勉強もしながらでしたがそこで忍耐力が養われました。大学は周囲に何もない環境だったため、野球に集中できましたね。ホークスもいい施設を備えていますし、野球に打ち込める環境が常にありました。良い進路というのか、良いルートを辿れたかなと思います。

――最後に高校生の皆さんにメッセージをお願いします。

周東 自分を持つことがすごく大事だと感じます。今はSNSなどで野球技術についての情報が入手できると思いますが、自分の責任は自分でしか取れないじゃないですか。うまく取捨選択しながら、やろうと決めたことにしっかり取り組んでがんばってください。

(取材・文:武山智史、高木 遊)

PROFILE
996年2月10日、群馬県出身。東京農業大学第二高校から東京農業大学オホーツクキャンパスを経て2017年育成ドラフト2巡目指名で福岡ソフトバンクホークスに入団。2年目の19年に支配下登録され一軍に。翌20年に50盗塁で盗塁王となり、24年から2年連続でゴールデングラブ賞を受賞している。侍ジャパンでは19年のプレミア12、23年の第5回WBCでは持ち前の俊足で優勝に貢献した。180センチ、71キロ。右投左打。


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