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【アメリカで開催される「もう一つの高校野球」】選手サポートに掛けるメーカーの思い

2015.8.12

 スポーツメーカーのニューバランス社は2011年からエリアコード・ゲームズのスポンサーを務めている。出場選手にスパイクのみならずユニフォームなどを提供。全米から集まったエリート高校球児をサポートしている。その意義を同社のティム・セイボー・スポーツマーケティング責任者(31)に聞いた。

ニューバランス社のティム・セイボー氏
―まずこの大会がいかなるものか簡単に教えてください。
セイボー氏 「全米から約250人の高校選手が一堂に会して力量を披露してもらうものです。期間中には500人から600人のスカウトがやって来る大きな催しです」

―その大会で、ニューバランス社はどのような活動をしているのですか?
セイボー氏 「もともとニューバランスはランニングシューズやスニーカーのイメージが強かったのですが、近年ベースボールにも注力しています。2011年より大会のスポンサーになってからは、スパイクやユニフォームなどを参加選手に提供しています。我々の最高の商品を、全米で最高の高校選手たちに身に付けてもらいたいと思っているからです。我々は毎年この大会に合わせて新しいスパイクを開発してきます。選手たちが気に入ってくれればうれしいし、また選手たちが地元に帰って我々の商品を自慢してくれれば、とても大きな効果が期待できます。彼らは学校で他の生徒から尊敬されている存在ですからね」

―参加者がトライアウトで決定してから本大会まで時間があまりないと思いますが、選手ひとりひとりに合わせたスパイクやユニホームを準備するのはかなり大変なことではないですか?
セイボー氏「全選手250名ほどの参加者が決まってから大会まで2週間。その短期間に各選手のサイズに合わせてユニフォームやスパイクを準備します。大変ですが、楽しいものです。」
開発サンプルを見せ、現場の選手たちの声を直接聞くニューバランス社の製品開発チーム

―商品の提供のほかには、高校選手たちに何をもたらしているのでしょう?
セイボー氏 「この大会そのものが、我々からの贈り物です。スカウトの目の前でプレーすることで、自分の実力をアピールすることができますからね。メジャーリーグのスカウトばかりでなく、大学のスカウトも大勢来ます。進路を考えたとき、彼らにとって願ってもない機会になっていると思います」

―セイボーさんご自身も野球選手だったのですか?
セイボー氏 「高校、大学とプレーし、ホワイトソックス傘下のマイナーに3年間在籍しました。右腕投手でした。メジャーリーグでプレーすることはできませんでした。それからニューバランス社に勤めるようになって3年目です。とても楽しくやっていて、充実しています」

―経験者に米国の高校野球について話してもらいましょう。一年のうちどのくらい野球をするものなのですか?
セイボー氏 「地域によって、また学校によって多少異なります。3月から5月か、4月から6月といったところです。野球のシーズンはとても短いんです。今回出場している選手たちにも、これが終わったら学校でフットボールの練習が始まるなんていう子がたくさんいると思いますよ。これが米国の一般的な高校球児だと思います。彼らをサポートすることは、とてもやりがいのある仕事です」

試合終了時には選手全員でハイタッチを交わす


クーパー・ジョンソン捕手 カーメル・カソリック高校(イリノイ州)

 「人一倍、下半身を低くして構えるので、いつもスパイクの内側を傷めやすいんだけど、このニューバランスのスパイクは長持ちしそう。フィット感もいいです。今後の目標はU-18の全米代表に選ばれて、8月後半の大阪のWC出場選手としてプレーすることです。」











ボー・ビシェット内野手 レークウッド高校(フロリダ州)

 「ニューバランスは大好きで、もう以前から使っています。自分の足は幅広だと自覚しているので、ニューバランスのスパイクは、自分にとって何と言っても履き心地がいいと思っています。とても踏ん張りがききます。」








ハンス・クラウス投手 ダナヒルズ高校(カリフォルニア州)

 「今回もらったスパイクは軽くてびっくりしました。履いていて、とても感じがいいです。履くようになってまだ少ししか経っていないのに、すっかりお気に入りになりました。」
 「野球の他にバスケットボールもプレーしています。この2年間で身長が伸びすぎて、逆に困っています。将来的には野球を続けて行きたいです。」







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