そんな花咲徳栄だが、昨年秋は思わぬ事態に襲われることになる。岩井監督がU18侍ジャパンのヘッドコーチに就任し、9月にチームを離れている間に県大会の初戦でまさかの敗退となったのだ。ちなみに花咲徳栄が秋の県大会の初戦で敗れるのは2010年以来、実に12年ぶりのことだった。長年チームを指導する岩井監督も改めて高校野球の難しさを感じたという。
「8月までは練習試合の内容も良くて、例年と比べて順調だったんです。そういうこともあってあえてチームを離れる前に特別なことは言わなかったんですけど、それまでの結果で慢心があったのかもしれませんね。帰ってきてコーチや選手に色々聞くと、練習でも試合でもやるべきことができていない。その理由を聞くと『状態が良かったから』ということでした。新チームが始まったばかりの時期にそんな満足できるような状態にはなっていないんですよ。こんなに早く負けるのは久しぶりなので、10月からはまた腰を据えて取り組んでいますし、春、夏のためにも本当に重要だと思います」
（取材・文：西尾典文／写真：編集部）
＊後編では具体的なトレーニングやチームとして大事にしていることについて紹介します。
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