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【中央学院】相馬幸樹監督|意識しすぎた強みとストロングポイント

2024.3.20

“品格”を求めすぎて消してしまった選手の良さ



冒頭でも触れたように2018年には春夏連続で甲子園に出場。県内でもすっかり強豪校の一つに数えられるようになったが、その後はなかなか勝ち切れないことも多かった。その裏にも失敗と後悔があったという。
「甲子園に出たチームは本当に勢いでそのまま行っちゃったみたいな感じでした。行ける時はこんなものなのかと思いました。ただ続けて甲子園に出たことで、その後にチームにも必要以上に“品格”みたいなものを意識させすぎたかなというのはあります。そうすることで選手の持っていた良さを消してしまっていた部分もあったのかなと。今思い返してみると、もっとガツガツしたところを出してやった方が良かったのかもしれません」

また前回の甲子園出場から今回の間に起こった大きな出来事としては2020年のコロナ禍があげられる。そこで相馬監督が新たに気付いた点もあったそうだ。
「個人的にはこんなにやることがない期間は初めてだったので、のんびりできて楽しかったというのはありました(笑)。ただ夏の甲子園が中止となった時は、自分も経験したことがないことなので何て言えばいいかは難しかったですね。
自分があの時の3年生の立場だったら、甲子園がなくなった時点で高校野球は辞めていたかもしれません。3年生にはもう中止になったタイミングで辞めてもいいという話もしましたが、誰も辞めませんでした。代替大会もどうなるか分からない中でもいつもと変わらず取り組んでいたので、立派だなと思いました。本当に野球が好きな選手が多いんだなと。そんなこともあって、いかに選手のそういう気持ちを引き出せるかが重要だなと思うようになりましたね」
この年夏の千葉県の代替大会は地区ごとに行われたが、中央学院は決勝で八千代松陰に敗れたものの10対11という大熱戦を演じている。それも選手の力を上手く引き出した結果と言えそうだ。

後編では初の甲子園での失敗、6年ぶりに挑む選抜への意気込みなどをお届けする。
(取材・写真/西尾典文)

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