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【享栄】大藤敏行監督|仕掛けなかった、挑戦しなかったことに対する悔い

2023.11.24

記者に言われた「あなたに監督をやる資格はない!」



もう少し前なんですけど2000年の夏でよく覚えていることがあります。1回戦で郡山(奈良)の12対0で勝って、次が智弁和歌山だったんですね。
対戦が決まった時に取材で自信はあるかと聞かれて、半分謙遜もありましたけど、「うちなんか智弁和歌山さんに比べると全然力はないですよ」と言ったんですね。
そうしたら囲み取材が終わった後に、地元の女性記者から「あなたのような指導者に教えられている生徒はかわいそうだ。練習を見ていても力はあるし、決して相手にも劣っていない。隣でキャプテンも話を聞いているのに、そんな自信のないことを言うあなたに監督をやる資格はない!」って叱られましてね。
その時は「何を言うか!」って頭に来ましたけど、後から冷静になって考えればその通りだったんですよね。
結局1点差で負けて、智弁和歌山はそのまま優勝しました。このことも今思い返せば、選手たちに自信を持たせてあげられなかったという意味で失敗ですよね。

——なかなか外部の人にそこまで言われることは珍しいですよね。

2000年にもそんなこと言われていたのに、2004年も3番バッターが怪我をしていたとはいえ、甲子園でいい勝ち方をしていたのに自信を持って戦えなかった。本当に進歩しないなと当時は凄く反省しましたよ。(取材・西尾典文/写真:編集部)

後編ではそんな失敗を乗り越えての全国制覇、また、学校が変わってからの監督自身の変化などを紹介します。

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