学校・チーム

“全員野球”で
「そうだ、甲子園行こう!」〜僕たちのナツタイ 2021 幕張総合高校〜

2021.7.8

さまざまなスローガンが各所に掲げられており、「そうだ、甲子園行こう」は“公立校でも『思いがあって、行動に移せば、行ける場所』。だから夢物語にしたくない”という部員の想いが詰まってる。今頭角を現しつつあり、ナツタイで台風の目になること間違いなしのナインを取材した。


幕張総合高校

幕張総合高校って?

1996年に開設された全校生徒2,200名という幕張総合高校の大きな特徴は「単位制」。2、3年生はほとんどの授業が選択制となり、大学のような「空きコマ」「2限始まり」といった時間割も作成可能だ。クラスという概念もほぼないため、野球部員は授業中や休み時間も一緒に過ごすことが多い。かつては県予選初戦敗退も多かった野球部も、近年はシニアリーグ出身の選手の入部も増え、部員はマネージャーを含め約70名の大所帯に。これまでの選手権大会最高成績は2017年の4回戦敗退。今年は投打のバランスのとれたチームで、さらなる高みを目指す。

School Data
監督/柳田大輔
部長/藤平 真
部員数/3年生27人 2年生18人 1年生17人マネージャー9人

県立幕張北高校、県立幕張西高校、県立幕張東高校の3校が統合される形で1996年に創立。野球部は創立と同時に創部された。2021年の春季大会でベスト16に進出した。



自主性のある練習が光る、激戦区千葉のダークホース


毎年数々のドラマが生まれる千葉のナツタイ予選。甲子園出場経験こそないものの、ひそかに注目を集めているのが幕張総合高校だ。昨年の秋季大会、今年の春季大会ともに県ベスト16。他校の監督も「今年の幕総は期待できそうですね」とうなる。

成長の軸となっているのが、選手たちが自ら考案するという練習メニューだ。毎日選手全員でこなすルーティンワークは存在せず、素振り、ウエイト、選手ひとりひとりが自分に今足りないものを考えて調整している。 日々の練習を支えるのは、公立校とは思えないほど充実した施設で、両翼90mの広々とした野球部専用グラウンドをはじめ、雨天でもウエイトができるよう考えられた部室、3選手同時に投球練習ができるほど広いブルペンなど、約60人の選手がそれぞれ満足いく練習ができている。




対外試合の前でも黙々と自主練習に励んでいる。グラウンドではキャッチボールや守備練習、ブルペンでは投球練習など、各々自分に足りない部分を強化して試合に臨んでいる。


練習の成果を確かめるため、毎週末のように対外試合が組まれており、柳田監督の腰の低さ、堅実さが人を呼び、県内外の強豪校が相手の場合もある。主将の沖﨑は、「いろいろな高校と試合をすることで、野球に対する取り組み方が変わりました。今まではティーひとつとっても、目的意識がなかった。でも、ああいうバッティングがしたい、ああいう打球を飛ばしたいと考えながらバットを振るようになりました」と話す。日々の練習と対外試合。その繰り返しがチームを飛躍させようとしている。

千葉の厚い壁も、チーム全員で超えていく!


2021年のドラフト候補に名を連ねる村山亮介の存在も大きい。外部からの注目度が高まる中、柳田監督は「良いものは良い、すごい人に対してはすごいと言える、素直な選手が集まっています。村山が味方にいるという安心感は選手たちからも伝わってきますし、彼の存在がチームを上昇志向にしているのは間違いないですね」と語る。実際、対外試合中に「お前なら打てるぞ!」、「俺がお前までつなぐぞ」といった声かけが多く、“村山なら必ず何かやってくれる”という不動の四番に対する期待の高さがうかがえた。  


沖﨑主将は 「千葉はベスト16の壁が厚いのですが、ここを突破するためにチーム全員で成長していきたい。選手、監督、マネージャー、保護者、応援してくれるみなさんと一緒に成長して、いい結果を報告したいんです」と語気を強める。この夏は、これまでの練習の成果を全員野球で発揮して初の甲子園出場を目指す。


野球選手を陰から支える9人のマネージャー。3年生の星田陽南(ひな)さん(写真の前列左から2人目)は、昨年の秋季関東地区大会決勝戦でアナウンスを務めた。


指揮を執るのは同校OBの柳田大輔監督。「面白い監督がいると聞いて進学を決めた」という選手もいるほど注目度が高まっている。チームの主体性を重んじた指導で夏へ挑戦!


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