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【元高校球児からのエール】伊藤智仁さん(富山GRNサンダーバーズ監督)

2018.6.22

元高校球児が語る高校野球の思い出、そして現役球児たちへのエール。
今日は伝家の宝刀「高速スライダー」でプロ野球界に伝説を作った、元ヤクルトスワローズのエースで、現在は独立リーグの富山GRNサンダーバーズで監督を務める伊藤智仁さんからエールをいただきました。




伊藤智仁さん (花園高校OB /富山GRNサンダーバーズ監督)

失敗しても悔いが残らないように、
とにかく思い切ってやってほしい

高校球児へのメッセージということですが、僕でいいんですかね?(笑)。甲子園にも出ていませんし、大した実績はありませんけど。

自分の高校時代を振り返るとクライマックスは2年秋の近畿大会ですね。勝てば選抜が見えてくるという試合だったのですが、上宮(大阪)に全く歯が立たなくて負けました。実力もそうでしたが、名前負けというか、ユニフォームを見ただけで圧倒されたような感じですね。同学年ではプロでチームメイトになる川崎(憲次郎・津久見)、岡(幸俊・高知商)が甲子園で活躍していましたが、当時はレベルが全然違うなと思っていました。川崎は140キロをバンバン出すし、岡はフォークボール投げるし。こんな凄いピッチャーがいるんだなぁと思って見ていました。


高校時代の練習は専用のグラウンドがなかったということもありますが、よく走っていたことが印象に残っています。あとは練習時間が長かったですね。平日でも5時間くらいやっていましたし、休みの日は朝から夕方までやりました。当時の自分に今の自分が声をかけるとすれば、上手く効率よく鍛えろよということですかね。
高校野球の現場に行くことはほとんどないですが、6年前の7月に大阪に遠征があった時にたまたま母校(花園高校)の試合があって見に行きました。相手が今ソフトバンクの真砂(勇介)くんがいる西城陽で負けてしまったんですけど、久しぶりに見る高校野球はやっぱりいいなと思いました。

今年から独立リーグの富山GRNサンダーバーズで監督をやらせていただいています。今まではコーチとして投手しか見ていませんでしたが、全体を見ないといけないので難しさも面白さも感じています。技術的にはNPBと比べてもちろん劣っていますが、その分キビキビとプレーすること、泥臭くやることを出していかないといけないですね。あとはファンとの距離が近いところ。それは選手だけでなく我々スタッフも同じです。プロのOBである我々をきっかけにお父さんが子どもを連れてきてくれることもありますから。そうやってまずは足を運んでもらうように取り組んでいます。監督という立場では、今はとにかく一人でも多くの選手を目標であるNPB入りを叶えさせることが目標ですね。

高校時代のチームメイトとは今でも地元に帰ると会いますし、繋がりが途絶えることはありません。一生付き合える仲間ができるというのは高校野球の素晴らしいところだと思います。あと最後まで勝ち残るのは1校だけで、他のチームは必ず負けます。だから失敗しても悔いが残らないように、とにかく思い切ってやってほしいです。あとは怪我に気をつけてもらいたいというのが僕から言いたいことですね。(取材:西尾典文/写真:富山GRNサンダーバーズ提供)

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