腸は第二の脳。パフォーマンスにも影響を与える腸のケアはどうしたらよいのか?
試合前になると緊張して胃が痛くなったり、お腹をくだしてトイレに駆け込んだりする選手は意外と多いかもしれません。下痢を起こす原因には急性のもの(飲み過ぎ、食べ過ぎなどからくる消化不良の症状、食中毒など)と慢性のものがあります。最近増えていると言われるのは、下痢と便秘を繰り返すことの多い過敏性腸症候群というもの。もともと下痢や便秘などの症状は健康な人にもみられるのですが、試合前のストレスなどがかかったときに急に腹痛を起こしてしまうことがあります。
腸は「第2の脳」ともよばれ、脳がプレッシャーなどのストレスを感じると自律神経を通して刺激が腸に伝わり、腹痛を引き起こします。また逆に腸が病原菌などに感染してしまうと、その情報が脳に伝わり不安感を増幅させるといわれています。このように脳と腸は互いに影響を及ぼし合い、密接に関連しています。
もし試合前に下痢や腹痛が起こってしまったら、まずはあせらずトイレで用を済ませ、痛みがおさまったところでお腹を冷やさないように温かい飲み物をとるようにしましょう。お腹をくだしてしまうと脱水症状を引き起こします。水分をとって「またお腹が痛くなったら・・・」という不安があると思いますが、たくさん飲むのではなく、こまめに少しずつ水分をとるようにしながら様子をみましょう。冷たい飲み物や炭酸飲料などは胃腸を刺激しやすいので避けるようにします。また試合中のエネルギー源確保として、炭水化物を中心に補食をとることも忘れないようにしましょう。食べやすい一口サイズのおにぎりや飲むゼリーなどを上手に利用するのも一つの方法です。
過敏性腸症候群の原因はストレスだけにとどまりません。暴飲暴食や睡眠不足といったコンディションの乱れが腸に大きく影響すると言われています。試合前には体調を整えることを第一優先にし、十分な睡眠時間を確保して試合に臨むようにしましょう。