恵まれない環境で日々試行錯誤
取材当日も原田監督自身が2トントラックであらゆる用具を運んできており、それを設置するのにもだいぶ時間をとられていた。また、19時には河川敷の入り口が施錠されてしまうため、それまでには道具を運び出す必要もあるという。恵まれない環境で練習していることは伝わったと思うが、その中でも昨年夏に甲子園出場を果たせたことについて、原田監督はどう感じたのだろうか。
「去年のチームはその前の秋に負けてから、こちらが変に勝ちに執着しなかったのが良かったのかなと思います。春以降は自然体で臨んでいましたし、こちらの想像をはるかに超えてくれました。ただ、ミラクルみたいな部分はありましたけど、決して偶然ではないなと思います。トレーニングに関しては体重とか数字を決めて、なかなかクリアできない選手もいたんですけど、何とかギリギリまで頑張ってクリアした選手が夏の大会でもいいところで仕事をしてくれました。ただ、今年のチームは去年と同じようにやっていても、なかなか上手くいきません。日々どうしたらいいのかまた考えながらやっているところです」
そう話す原田監督だが、練習の様子を見てもかつての失敗だと語るような一方的な指導は全く見られず、選手たちが考えて動いているように見えた。また半分の選手は学校に残ってトレーニングをしているとのことで、グラウンドで練習している選手たちも、体つきはしっかりしている印象を受けた。
甲子園常連校と比べるとまだまだ力の差はあるかもしれないが、恵まれない環境でも勝てることを示したのはチームにとって大きな財産となったはずである。そんな共栄学園の今後の戦いぶりにぜひ注目してもらいたい。(取材・西尾典文/写真・編集部)
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