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『監督からのラストレター』沖縄尚学高校/比嘉公也監督

2021.2.25

集大成となる舞台がなくなり、何をモチベーションに努力するのか悩み苦しんだ3年生。独自大会3回戦が最後の舞台となり、不完全燃焼な最後になったかもしれない。それでも比嘉監督は彼らに望む。周囲の大人たちが「最善を尽くす行動をとっていたことを忘れないでほしい。そして君たちにもそんな大人になってほしい」と。(書籍『監督からのラストレター』から引用)


人生、イレギュラーしても対応できる

高校生活で一番苦労したことは何ですか? 例年であれば、「文武両道」、「冬場のトレーニング」、「技術力向上」といった言葉が返ってきます。2020年の3年生に共通して言えることは「モチベーションの維持」ではないでしょうか。幼少期から始めた野球。その頃から目標となったであろう甲子園の舞台。公式戦で激闘を繰り広げ、最後まで勝ち上がったチームのみに出場が許される甲子園。今までの集大成となる大会を失うという、誰も体験したことがない状況下で、落ち込む君たちにどんな言葉をかけていいのかわかりませんでした……。

人生は限られた時間の中で、どう最善を尽くすかがポイントなのではないかと思います。高校球児としての残り短い時間の中、何をモチベーションに努力するのか悩み苦しむこともあったでしょう。そんな中、周りの大人たちもみんなのために何かしてあげられることはないかと悩みました。県高野連主催の独自大会、OBからみんなを元気づけるTシャツの贈呈など、それぞれの立場で最善を尽くす行動をとっていたことを忘れないでほしい。そしてみんなも人のために、自身のために尽くすことのできる大人になれると信じています。

この先、大学・専門学校に進学する子、一般企業で働く子、それぞれ進路は分かれます。多かれ少なかれ苦労は付いてまわります。思い通りに事が運ぶことは少ないかもしれません。どんなにきれいに整備されたグラウンドでもイレギュラーすることはあります。

Striveforthebest~執念~

目標を見失いそうな時こそ、Tシャツに刻まれたこの言葉を思い出してほしい。
「人生、イレギュラーしても対応できる」
そんな人生を送れる人になることを願っています。

沖縄尚学高校
硬式野球部監督 比嘉公也

※書籍の内容と一部異なる場合があります

沖縄尚学高校

1957年に創立された嘉数学園沖縄が前身。附属中学との一貫教育で県内有数の進学校。野球部は99年春に県勢初の甲子園優勝、2008年春にも2回目の優勝を果たした。主なOBに東浜巨、リチャード(ともにソフトバンク)ら。


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