冬の気候に合わせ「デカく! 速く!」
投手力は背番号8の向坂投手(2年)が全4試合に登板。準決勝(盛岡大付戦)で13奪三振、被安打3(失点2)の好投でチームをけん引した。5人の投手の特性を生かして継投策で勝ちあがった仙台育英。 神宮大会の初戦敗退(天理戦)も一つの経験値としてとらえ、次なるステージに向けて構想を練っているところだ。「今年の冬はどんな冬になるのか。12月に雪が多いのか少ないのか。それによって練習メニューが変わります」。東北地区ならではの「冬の天気」に合わせて、柔軟に対応することになる。
練習のテーマは「デカく! 速く!」。身体を鍛えて心肺と筋力を強くしながら、俊敏性にもこだわっていく予定だ。「身体が大きくなっても、走るタイムが遅くなってしまっては本末転倒。ダッシュ系のタイムを落とさないように、身体を作ります。走塁はもちろんですが、足が遅くなるとディフェンスにも影響が出ますからね」。
須江監督は秀光中時代も走塁にこだわってきた。守備の時間をいかに短くして、攻撃の時間を長くするか。ポゼッション(支配率)を上げるためには出塁がカギとなる。仙台育英にもこの考えを取り入れ、この冬は走塁をさらに強化していくつもりだ。
「2018年、夏の甲子園で浦和学院に負けてから『1000日以内に日本一になる』と期限を決め、自分の中に覚悟を作りました。いまはまだ道半ばですが、一つ一つの段階を経て、幸福度の高い、面白い野球ができればいいと思っています。準備していきますよ、焦らず、じっくりと」。幸福度と勝利。2つの夢を貪欲に追い求める。(取材・撮影:樫本ゆき)
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