学校・チーム

【知徳】中学時代は4番手、小船翼がドラフト候補に成長するまで

2024.4.25

1年の秋、「何かつかめたかもしれません」



期待の大きさとは裏腹に最初の夏はほろ苦いスタートとなった小船だが、その後は驚きの成長を見せることとなる。きっかけとなったのは1年の秋季大会前の練習試合だった。
「新チームになって何とかモノになってくれればと思って練習試合でもよく投げさせて、完投した試合もあったんですけど、なかなか結果が出ませんでした。でも8月の終わりに加藤学園さんとの練習試合で最後の1イニングを投げさせたら三人で簡単に抑えたんですね。そうしたら本人が『何かつかめたかもしれません』って言うんですね。じゃあ2試合目の試合も投げるかと聞いたら『投げたいです』というので3イニングだけ投げたらまた簡単に抑えた。そんなことを言ってきたのも初めてでしたし、実際に結果も出たので県大会も先発させてみたら、川根高校さんに無四球で完封しました。この頃から一気に良くなりましたね。
まだスピードは135くらいだったと思いますけど、春には140を出しますと言っていたら飛龍高校戦で142が出ました。その後2年の夏は146、秋には150。もちろんスピードばかりが全てではありませんけど、こちらの想像をはるかに超えるスピードで成長してくれています」
 
恵まれた体格や投手としての才能があったのはもちろんだが、期待通りに成長することができない選手も多い。そんな中で小船がここまで成長した理由を初鹿監督はどのように考えているのだろうか。
「フォームのことなどはこちらから何か言ったことは全くありません。原(史彦)コーチもそんなに細かいことは言ってないと思います。持っているものは間違いなく良いですから、外部のトレーナーの方にも色々指導を仰いで、トレーニングやコンディショニングはしっかりやろうということでやっています。見ていると、本人の中で上手く取捨選択することができていると思いますね。周りの人に色々言われても、頑なに否定するわけではなく、しっかり話を聞いて試したりして、それで合うものを取り入れていっているように見えます」


 
このように話す初鹿監督だが、練習の様子を見ていても何かを押し付けるような指導は全く見られず、選手たちとの会話も実にフランクなものだった。取材当日も選手たちが前向きに野球に取り組んでいることがよく分かり、そういう雰囲気のチームだったことも小船の成長を後押しした部分もあったのではないだろうか。


PICK UP!

新着情報