学校・チーム

【高校球児のための大学野球部ガイド】獨協大学硬式野球部を紹介!

2022.1.20

大事にしている「社会に出るための教育」と文武両道

社会人の一線でプレーしていたこともあって、まだまだ選手より遠くへ打球を飛ばすなど野球の面では自ら示しながら厳しく指導しているという。またマナーや礼儀なども当然細かく指摘しているそうだ。学業や学生生活を疎かにしないだけでなく、グラウンド内でのそういった取り組みも結果が出てきた要因であることは間違いないだろう。そして冒頭で亀田監督が話したように、野球以外の面でも社会に出て通用するための指導も行っているという。



「自分は教授ではないので細かいところは分かりませんが、選手の書く日誌やノートはちゃんとした文章で書けているかチェックします。あとはテーマを与えて全員の前で5分間スピーチもやらせています。目的は起承転結を考えて大学生のレベルに合った話ができるようになること、体育会の用語ではなくて社会に出ても通じる言葉を使ってきちんと話ができるようになること。そのおかげもあるかは分かりませんが、いわゆる人気企業に一般就職する選手も多いですね」

社会に出るための教育に重点を置いているが、野球についても大学で一気に飛躍する選手も少なくない。獨協大から初のプロ入りを果たした並木選手はまさにその代表例と言えるだろう。
「並木も足だけは高校時代から速かったみたいですけど、最初からプロを狙うような選手ではありませんでした。両親が教員ということで教員免許を取りたいというのと、自宅から通えるということでうちを選んだそうです。最初は全然打てなかったですし、守備もちょっと上手いかなというくらいでした」

そんな選手がなぜプロに行けたのか?
「連盟を通じて大学ジャパン候補に推薦できる仕組みを知って、当時のマネージャーが良かったプレーの映像を集めて推薦したら一次選考に通ったんです。代表合宿で自慢の足をアピールして(50メートル走で参加選手中トップのタイムを記録)、それがプロに繋がった感じですね。うちに来て本当に伸びた選手だと思います。プロに決まってから教育実習も行って、教員免許もしっかりとりました。『文武両道』を体現した選手でした」

監督と選手の関係性から見える獨協大カラー

冒頭でも触れたようにこの秋は二部リーグで優勝を果たし、筑波大との入れ替え戦も第1戦で見事に勝利しながらそこから連敗を喫した。惜しくも一部昇格は逃したものの、その戦いの中でも選手たちの成長を感じたという。

「二部の優勝を決めた試合もかなり劇的な内容で、終わった後にメンバー外の4年生が号泣していたので自分も号泣してしまいました。入れ替え戦の前日にはキャプテンが『まだ亀田さんを半分しか男にできていないぞ。一部に上がって絶対に男にするぞ!』っていう話を部員たちにしてくれていました。
コロナもあって去年はなかなか練習もできなくて、今年も大変な時期もあったんですけど、入れ替え戦が終わった後の4年生はやりきった顔をしていたと思います」



監督が選手と一緒に号泣する、選手から「監督を男にする!」という言葉が出るというところにも獨協大のカラーがよく表れていると言えそうだ。そんなチームの特徴を示しているのが毎年12月の全体練習収めの日に行っているクリスマス会だ。チーム対抗での運動会や全員で円になってプレゼント交換を行い、昼食には大鍋で用意した大量の牛丼を亀田監督が選手1人1人に盛り付けて手渡すなどしているという。そしてこのクリスマス会を先頭に立って盛り上げているのが亀田監督なのだ。こういう行事がある野球部というのもかなり珍しいのではないだろうか。



最後にそんな亀田監督の感じている大学野球、そして獨協大野球部の良さについて聞いた。
「いいチームになってきたと思います。選手に直接は言わないですけど(笑)。自分は野球に関しては本当に恵まれた環境でやらせてもらいましたけど、それで調子に乗っちゃって野球以外のことはやりませんでした。獨協は文武両道で勉強もみんなしっかりやるのが当たり前になっていますし、アルバイトやいわゆる普通の学生としてやることもやる。でも野球についても言い訳せずに一生懸命やるチームです。だから勉強も野球もしっかりやりたい子が集まってきているんじゃないですかね。夏には練習会もやっていますから、この雰囲気がいいなと思った高校生はぜひうちに来てください!」(取材・文:西尾典文/写真:編集部)

関連記事

  • 1
  • 2


PICK UP!

新着情報