学校・チーム

【彦根東】課題を与えて考えさせる、3季連続甲子園を狙う文武両道校

2018.7.2

自己満足で終わるのが一番イヤ

村中監督が出したお題に対して作戦会議を行う選手たち

「色んな攻防の引き出しが出てきて、実際に試合で戦った時に“あ、この場面は練習でも想定してやったな”って思うこともあります。そもそもピンチになった時、ゴロでアウトを取るのか、フライでアウトを取るのか。三振が最高だけれど、三振を取るのは難しい。じゃあ内野ゴロか三振、どちらで取りたいかだけでもはっきりさせないといけない。それで投手の配球も変わりますよね。攻撃陣から見ると投手のアウトの取り方の傾向を見ます。例えば、うちの柴崎という投手はどういうタイプのピッチャーなのか。三振と内野ゴロが多いので、じゃあ、どんな風に守ればいい?”と尋ねると、そこから選手らが考えて色々なフォーメーションを編み出すんです。外野手は長打警戒となった時に、内野手はどうするか考える必要もありますね」。

 もし、ここで監督が答えを出すと、選手たちに考える力がつかない。いざその場面に遭遇して何かが起きた時に“しまった”と思ってしまう。そうならないように、様々な状況を想定した練習は陽が沈んでも粛々と行われている。

 彦根東では夏の大会前の追い込み、いわゆる“強化練習”はやっていない。
「以前はこの時期に走り込みやノーエラーノックなど、よくやっていたんですよ。でも自己満足だということに気づいたんです。自己満足で終わるのが一番イヤです。じゃあ、何のために練習するのか? と考えたらもちろん試合で勝つことが第一ですが、試合を終えて“やり切った”感があるかどうかだということもよく聞きます。でも私はやり切ったというより夏は“もっとやれる”という気持ちで常に戦って欲しいです。追い込むのは冬。それでも走り足らない時は春の大会中にランニングを多めにやったりはします」。

 夏の大会前は使える環境を存分に生かし、実戦練習をいかにこなすかを考えている。
(取材・撮影:沢井史)
*練習レポート後編に続きます。

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