良い経験になった大阪桐蔭との練習試合
知徳は度々県内では上位に進出しているものの、これまでに甲子園出場はなく、高校から直接ドラフト指名を受けたプロ野球選手もいない。そんなチームで小船のような存在がいれば浮いてしまうこともありそうなものだが、そんなことは全くないと初鹿監督は話す。
「誰も小船のことを特別扱いもしていませんし、仲良くやっていると思います。うちは小船以外もたまたま190cm近い大きな選手もいますし、逆に160cmもない小さい選手もいるんですが、小さい選手からも『しっかりやれよ』とか言われていますからね」
逆に小船の存在がチームにとって大きなプラスとなる出来事もあったそうだ。
「前にたまたま試合の帰りで高速道路のサービスエリアで休憩していたら、大阪桐蔭さんが関東遠征の帰りでいらっしゃったんですね。うちの原コーチと大阪桐蔭の橋本(翔太郎)コーチが年齢が同じで、面識があったのでその時に西谷(浩一)監督を紹介してもらいました。そんなことが前にあったので、この春の関西遠征の時に、思い切って練習試合をお願いしたら予定を変更して受けてくださいました。小船は立ち上がりにラマルくんに死球を当ててしまって、選抜も控えているのでちょっとその後は思い切った投球ができなかったのですが、それでも良い経験ができました。他の選手も大阪桐蔭さんと試合ができたことで意識も変わったと思います。そんな経験ができたのも小船がいたおかげですからね。本当にありがたいことです」
終始嬉しそうに小船について話す初鹿監督の様子が印象的だったが、それだけの期待以上の成長を見せてくれたということは間違いないだろう。後編では小船本人のインタビューを紹介する。
(取材:西尾典文/写真:編集部)
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