夏に行われた愛知県の代替大会でも見事に優勝。更に選抜出場が決まっていたチームによって行われた甲子園交流試合でも智弁学園に勝利している。甲子園大会が中止になっても、この年の中京大中京はやはり強かったと感じさせるには十分な戦いぶりだった。
2021年春に出場した選抜でもチームはベスト4に進出。この取材後に行われた春の愛知県大会ではまさかのコールド負けを喫するなど、強豪ひしめく愛知にあって勝ち続けることはやはり簡単ではないが、高橋宏斗をはじめOBの多くは上のカテゴリーでも活躍しており、変わらぬ存在感を示している。最後に今後のことについて、高橋監督は以下のように話した。
「球数制限とかタイブレークとか色々ルールも変わって、ちょうど高校野球も過渡期を迎えていると思います。立派な施設を持っている学校も多い中で、うちは室内練習場もなくて環境的には確かに恵まれているとは言えません。でもその中でも結果を出すにはどうするかということは常に考えていますし、それが(中京大)中京の伝統でもあると思います。もちろん新しいものは取り入れながら、一体感を持ってチームで戦うという部分は大事にして、次の世代にバトンタッチできるといいですね」
取材当日も大会が近いということもあって実戦練習に多くの時間を割いていたが、守備の動きなどに身振り手振りをまじえながらも、選手に色々質問するなど対話を重視している様子が印象的だった。この春の大敗からまたどのように強いチームを作っていくのか。今後の中京大中京に注目だ。(取材・文・写真/西尾典文)
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