2年半前は投打でアピールを見せたいと意気込んで敦賀気比の門をくぐった野球少年は、次のステージではバッターとしてその先を歩む。今後も試練が待ち受けているかもしれないが、少なくとも高校野球での経験はこれ以上ない財産となった。
「高校では耐えることを身につけられたと思います。中学時代はしんどいことはやりたくないと思ったし、自分に甘かった。それを高校で実感できましたし、入学していきなり壁にぶち当たったことが良かったのかもしれないです。入学直後は走りすぎて全身筋肉痛になったこともあったし、冬場はバットを振る時間が長くて本当にキツかったです。でもそれがあるから今がありますし、キツイことをたくさんして気持ちの面で成長できました。公式戦や練習試合も含めて良いピッチャーと対戦できたことで、上を目指したい気持ちが強くなりました」。
プロ野球界では吉田正尚(オリックス)や多くの敦賀気比OBも躍動している。木下自身も球界を代表するバッターになることが大きな目標だと話すが、どんなバッターになりたいか尋ねると、こんな答えが返ってきた。
「プロでは三振かホームランというくらいフルスイングを貫きたい。打率、ホームランとどちらでも数字を残せたらいいですけれど、そんなに甘い世界ではないと思うので。できれば4番にこだわりたいです。バッターとして一番魅力があるのはホームランだと思うので、ホームランをどんどん打てるバッターになりたいです」。
持ち前の明るいキャラクターも前面に出し、さらに人を引きつけられる選手になれるのか。高校での経験を胸に、さらなるステージへと巣立っていく。(文・写真:沢井史)
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