トレーニング

過呼吸への正しい対応

2015.9.7

 練習や試合などで突然呼吸のリズムが乱れ、息を吸ったり吐いたりといったことが出来なくなること、いわゆる過呼吸を起こすことがあります。プレー中にミスをしたとき、ミスしたことが原因でメンバーから外されてしまったとき、試合そのものの緊張感や、試合で負けて号泣しているときなど、ストレスが原因になって起こることが多いと言われています。

 過呼吸(正式には過換気症候群)は精神的なショックなどによって、必要以上に酸素を取り入れようとし、血液中の二酸化炭素濃度が下がってくることで血液中の酸・アルカリバランスが崩れて呼吸が乱れ、手足がしびれたり、不安感が大きくなったりといった症状が見られます。正常な呼吸ができなくなることであせってしまい、より呼吸がうまく出来ないという悪循環にも陥りやすいです。

 過呼吸への対応として、以前は紙袋で口を覆い、自分の吐いた空気を再度吸い込んで血液中の二酸化炭素濃度を上げるように病院でも指導されていましたが(ペーパーバッグ法)、現在ではこの方法は推奨されていません。過呼吸はストレスによって起こる場合もありますが、他の病気によるものも否定できないため、紙袋などで新鮮な空気を遮断し低酸素状態を作り出すことは、症状を悪化させることにもつながってしまうからです。

 こうした状況に陥った選手がいたときは、不安感を少しでも和らげるように対応します。ますは大きくゆっくり息を吐くようにするとよいでしょう。過呼吸は胸式呼吸がうまく出来ないことで呼吸困難を感じるため、お腹をふくらます、凹ますことを意識した腹式呼吸を行うようにアドバイスすると呼吸困難はやがて改善されると言われています。またベルトやスパイクなど体を締め付けているものをゆるめ、背中をさすって「大丈夫だよ」と声をかけることも安心感につながります。プレー中のミスは誰にでも起こること。こうしたミスを引きずったり、抱え込んだりしないよう、チーム全体でミスをカバーするという雰囲気をつくり、一人に大きな責任を負わせないようにすることをチーム全体としてぜひ心がけましょう。

  過呼吸の原因となりやすいミスによる精神的ストレスを、チーム全体でカバーしよう




  



PICK UP!

新着情報