トレーニング

冬の練習こそこまめな水分補給で脱水を予防しよう

2015.3.20

パーソナル投手コーチとして東京から全国に出張コーチングを行う、リトルロックハート・ベースボール・ラボラトリーのコラムがスタート。野球の技術を中心に、指導に悩む現場の指導者の方々、保護者の方々に上達のヒントをお届けします。


■冬であっても練習中の水分補給はしっかり行う

 脱水症状は夏だけのものと思っていませんか?でもそんなことはありません。冬も脱水症状になることは少なくないのです。だからこそ選手自身はもちろんですが、指導者は選手以上に冬の水分補給に注意していく必要があります。

 このコラムを書かせていただいているわたくし大友は、野球漫画の名作『タッチ』の大ファンです。これを書いている今現在も再放送を毎週楽しみにしています。でも劇中、「練習中は絶対に水は飲まない」という会話を南ちゃんと黒木キャプテンがするシーンがあります。この時代はそういう時代だったわけですが、しかし練習中の水分補給の禁止は脱水症状をかんたんに引き起こし、最悪の場合は熱中症で命を落としてしまうこともあるのです。

 夏は水分と塩分の補給を忘れず、冬であっても練習中の水分補給はしっかり行うようにしてください。ちなみに本格的な運動をしていない場合は、夏であっても塩飴をなめる必要はありません。塩分補給は運動をしてガッツリ汗を流した選手にのみ必要なのです。運動をせずにただ汗をかいただけの場合は、塩飴などをなめすぎてしまうと塩分過多になりやすいので要注意です。

■体内の水分量の低下はパフォーマンス低下に直結

 さて、近年の冬用ウェアは本当に進歩しました。そのため極寒の中で練習をしていても、キャッチボールをしただけで汗ばむほどです。それほど保温性が高く、さらには速乾性のウェアを着ていると、少しずつ汗をかく冬は汗をかいている感覚も自覚もなくなってしまいます。そして寒い中で水分補給をするとトイレにも行きたくなるため、練習中や試合中の水分補給を避ける選手も多いようです。しかし体内の水分量の低下はパフォーマンス低下に直結してしまいます。

 テレビのCMでも冬の脱水症状に関して流れていますよね。あれは決して大げさな話ではありません。喉や口内が乾いたと実感した時は、それはもう脱水症状の初期段階です。ですのでのどが乾く前に水分を補給するように、特に練習中は気をつけてください。

 脱水症状になり筋肉の水分量が低下してしまうと、筋肉は硬直しやすくなりパフォーマンスが低下するだけではなく、肉離れなど怪我のリスクも高くなります。さらにはつりやすくもなります。パフォーマンスを低下させず、怪我を防ぐためにも、冬の練習中も水分補給はこまめに行うようにしましょう。

 水やお茶だと確かに冬はすぐにトイレに行きたくなります。しかしコーンスープやミルクで作ったホットココア、ゼリー飲料など、少しトロッとした飲み物であれば、水やお茶よりトイレの頻度は上がらないと思います。ただチームとして準備をすると、練習のお世話をしてくれるお父さんお母さんチームが大変だと思いますので、ココアやスープなどのスペシャルドリンクは、選手個人で用意して持っていくと良いと思います。



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