トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(3)

2015.5.14

こんにちは。野球塾リトルロックハートの大友です。K君のコーチング3回目の今回は、手首の使い方です。

投球時に手首の使い方を勘違いしてしまうと、上下のコントロールが不安定になってしまい、すっぽ抜けたりワンバウンドしてしまうボールが増えてしまいます。K君も手首の使い方が最良の形ではなかったため、すっぽ抜けるボールが多い状態でした。

結論から言うと、投球時に手首は使いません。少なくともトップポジションからボールリリースにかけての間は、手首は真っ直ぐ立てた状態にしておく必要があります。こうすることによって制球を安定させられるようになり、さらにはボールの回転も良くすることができ、ストレートが伸びるようになります。

スナップスローを「手首を使ってピュッと投げる」と誤解されている方は多いと思います。しかし厳密には違います。スナップスローとは、捕球後すぐにトップポジションに持って行き投げる動作のことです。捕手と内野手の投げ方ですね。対義語はフルアームスローになるのですが、これはテイクバックを取る投手と外野手の投げ方です。つまりスナップスローとフルアームスローの違いは、テイクバックの有無ということになります。

質の良いボールを投げるためには、体の構造に即した動作で投げていく必要があります。
肩関節は股関節とともに内旋・外旋させらる唯一の関節です。ということは、肩関節の内旋・外旋を使いながら腕を振っていくことが体にとって一番自然な動作ということになります。この内旋・外旋を上手に使っていくためにも、手首は背屈(手の甲側に曲げる)、掌屈(手のひら側に)、尺屈(小指側に)、橈屈(とうくつ・親指側に)をさせず、真っ直ぐ立てた状態にしておく必要があるのです。

× 手首が折れてしまっている悪い例

○ 手首が真っ直ぐ立っている良い例



例えば錐(きり)の先端が折れていたら上手く回転させることができず、きれいなネジ穴を開けることはできません。それどころかネジに合わない歪な穴を開けてしまうことにもなります。これと同じ原理で、手首を曲げてしまうと肩関節の内旋・外旋がスムーズにいかなくなり、歪な動作がパフォーマンスを低下させるだけではなく、故障を引き起こす原因にもなってしまいます。

制球力を良くし、球質を向上させるためにも、K君と一緒に手首で投げる癖は改善していきましょう。
もしどうしても手首を使ってしまう癖が直らない場合は、ゴムやテープで手首の両面に定規を固定し、手首が動かない状態を作って投げてみてください。この時定規の角で怪我をしないように、バッティンググローブなどをつけた上から定規を固定すると安全です。ぜひお試しください。



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