トレーニング

エラーの中から良い点を見つけてあげるのが指導者の役目

2015.3.26

パーソナル投手コーチとして東京から全国に出張コーチングを行う、リトルロックハート・ベースボール・ラボラトリーのコラムがスタート。野球の技術を中心に、指導に悩む現場の指導者の方々、保護者の方々に上達のヒントをお届けします。


■ミスをした選手を怒鳴ることはナンセンス

 精神論という言葉を持ち出して、選手たちを頻繁に怒鳴りつける指導者がいます。しかし怒鳴りつけることで精神力が高まるという考え方は、今や古い時代の指導法しか知らない方しかしていません。

 例えば選手が思い遣りのない野次を飛ばしたとしたら、それは指導者として一喝する必要はあると思います。しかしミスをした選手を怒鳴ることは、指導法としてはまったくナンセンスなのです。ちなみにもう一つ付け加えておくと、できていないということを何度も伝えることも逆効果です。できていないということは、小学生選手であっても自分自身でわかっているのです。

 できていなかったり、ミスをしてしまった選手に対し指導者は、次はちゃんとできるようになるための方法をシンプルにアドバイスしてあげる必要があります。くどくどと話してしまうと、選手は途中から話の意図を見失ってしまい、結局そのアドバイスは身につかなくなってしまいます。

 シンプルにアドバイスをしてあげ、それによってできるようになれば、「できた」という結果が選手の自信になります。この小さな自信の積み重ねがやがて大きな自信になり、ピンチにも動じない選手に成長していけるようになるのです。

 しかし怒鳴ることによって精神力を高めようとしても、結局は怒鳴られないように消極的なプレーをする選手になりがちです。例えば頑張ればグラブが届くようなゴロを、エラーをしないように本気で追いかけなくなってしまいます。これでは当然ですが素晴らしい選手に成長していくことはできません。

■怒鳴る理由はまったくない

 できなかった中にも、ミスをしてしまった中にも、必ず良い点が存在しています。それをたくさん見つけてあげるのが、特に小学生を受け持つ指導者の最大の役割です。ギリギリのゴロに追いついたけど、結局触っただけでエラーになってしまった場合は「お前だから追いつけたんだ!」とぜひ褒めてあげてください。

 そうすればまた次同じ打球が来たら、その選手はもっと頑張ってギリギリのゴロを捕球できるようになるはずです。そしてそれが自信になり、試合で実力通りのパフォーマンスを発揮できる精神力を持てるようになるのです。

 ちなみに何度も同じミスをしてしまう選手の場合は、これは選手に非があるわけではありません。上手くなる方法を的確にアドバイスできない指導者の実力不足です。つまりこれに関しても怒鳴る理由はまったくないということなのです。



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