トレーニング

野球少年たちを戸惑わせるこんな指導をしてはいませんか?

2015.3.27

パーソナル投手コーチとして東京から全国に出張コーチングを行う、リトルロックハート・ベースボール・ラボラトリーのコラムがスタート。野球の技術を中心に、指導に悩む現場の指導者の方々、保護者の方々に上達のヒントをお届けします。


■まずはチームの指導方針を一本化させる

 少年野球チームの指導者は、子どもたちが戸惑わない指導を行っていく必要があります。少年野球でよくありがちなのが、コーチによって指導する内容がまったく異なるというものです。「こっちのコーチにはこう言われたけど、あっちのコーチにはこう言われた」ということになってしまうと、選手たちは戸惑うばかりでせっかくの指導も身に付かなくなります。

 メジャーリーグの場合は、1つの球団がメジャー、3A、2A、1A、ルーキーリーグなどなど、その他たくさんのチームを所有しています。しかし特徴的なのは、指導内容がメジャーから最下部のチームまですべて一本化されているという点です。

 つまりマイナーリーグで受けた指導であったり、戦術面のチーム方針は、メジャーに昇格してもまったく変わらないのです。マイナー球団で行っていたプレーを、そのままメジャー球団でおこなって大丈夫なのです。そしてもちろんですが、コーチによって指導する内容が異なるということもありません。コーチミーティングによってしっかりと指導方針が統一されているため、上のチームに昇格をしても、今までと同じ流れで指導を受け続けることができるのです。

 少年野球の場合、試合後や大会後には監督やコーチも集まって食事会や飲み会をすることもあると思います。その席で勝った負けたとあれこれ言い合うよりも、まずはチームの指導方針を一本化させる話し合いをしてみてください。指導してくれるコーチによって、指導内容がまったく異なってくるという状況をなるべくなくしていってください。

 子どもたちの技術向上を最も大きく阻害してしまうのは戸惑いです。色々なコーチから色々なことを言われてしまっては、子どもたちは野球に対して迷ってしまうばかりです。プロ野球選手であってもそういう選手を頻繁に見かけます。色々なOBがやってきてはあれこれ違うアドバイスを送り、選手自身がどのアドバイスを信じたらいいのかわからなくなってしまい、調子を落としてしまうパターンです。


■選手たちが戸惑うような環境には決してしない

 大人だって色々なことを言われては戸惑ってしまいます。ということは、子どもならばなおさら戸惑ってしまいますよね。チームに何人も選手がいれば、全員が全員疑問を率直に投げてかけられるとは限りません。内気な選手もいれば、色々なアドバイスを真面目にすべて取り入れようとしてしまう選手もいます。

 少年野球チームの指導者は、子どもたちに決して戸惑いを与えてはいけません。監督がしっかりとリーダーシップを発揮して「うちのチームはこういう技術指導で統一します」と、ハッキリさせることが大切です。この指針さえハッキリしてしまえば、子どもたちから迷いは消え、野球選手として伸び伸びと成長していくことができます。

 勝ち負けもモチベーションを維持するためには非常に大切ですが、しかし少年野球でそれ以上に大切なのは、選手たちが戸惑うような環境には決してしないということです。子どもたちが迷わずに技術向上していくことができれば、チームも自然と勝てるようになっていくものなのです。



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