トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(13)

2015.9.9

 こんにちは。野球塾リトルロックハートのコーチ、大友です。
 大学生投手K君の13回目のコーチングとなります。今回のテーマは、12回目の続きのような形になります。振り上げた非軸脚をどのように前へ出していくか、という点についてです。

 非軸脚のストライディング(ステップ、踏み出し)には、主に2つの形があります。一度膝を真っ直ぐに伸ばす形と、膝を曲げたまま踏み出していく形です。結論から言うと、前者が理想の形となります。

  膝を伸ばし切るストライディング

  膝を曲げたままのストライディング


 振り上げた非軸脚を、膝を一度も伸ばし切ることなく踏み出していくと、股関節は外転動作になりやすいんです。つまり遠回りしやすい、ということです。遠回りするとなぜダメなのかは、わたしの連載を読んでくださっているみなさんであれば、もうおわかりだと思います。でも今回初めて読んだという方は、12回目の連載をチェックしてから、またこのページにいらしてみてください。するともっと深く理解できるようになると思います。

 さて、話を戻すと、フリーフットからストライディング動作に入っていく際、膝を真っ直ぐに伸ばすことにより、非軸脚側の股関節を外旋させやすくなります。股関節を外旋させられれば、ほんの僅かな動きを取るだけでつま先をかんたんに投球方向に対し真っ直ぐ向けられるようになります。するとボールの回転も良くなりますし、制球も安定しやすくなります。

 逆に膝を曲げたままストライディング動作を進めてしまうと、非軸脚股関節を外転動作でしか動かせなくなり、無駄に大きな動作で投げることになってしまいます。無駄な動作は多ければ多いほど制球力を低下させていきます。また、膝を一度も伸ばさずに踏み出してしまうと、膝がカカトよりも前に出やすくなります。

 膝がカカトの真上、もしくは前へ出てしまうと、下半身によって上半身の突っ込みを抑えることがほとんど不可能な形になります。そのため上半身が先走ってしまい、上半身主体で投げざるを得なくなってしまうのです。その結果はもちろん球威、制球力を低下させてしまうことになります。この膝の形に関しては、8回目の連載で詳しく書いていますので、そちらも合わせてチェックしてみてください。

 制球力をアップさせるコツは、投球動作内にある無駄な動作を一つでも多く削っていくことです。そして球速をアップさせるコツは、無駄な動作が減ったそれぞれの動作を上手く連動させていくことです。無駄な動作が多いほど連動しなくなり、無駄な動作が減るとそれだけでまず制球力がアップし、そこから自然とそれぞれの動作が連動するようになっていきます。

 今回のテーマは非軸脚を振り上げてから膝を伸ばすか曲げるか、ただそれだけの違いでしかないのですが、上述したように2つの動作から生まれる結果には雲泥の差が生じてしまいます。ですので今日から非軸脚を振り上げて踏み出していく際は、一度膝を伸ばし切ってからランディング(接地)を迎えるようにしてみてください。そうすればきっと非軸脚を今まで以上に効果的に使っていけるようになるはずです。




  



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