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U-15侍ジャパンに選ばれた逸材たち

2015.10.8

精鋭18名で挑むU-15侍ジャパン

 10月8日に開幕する「第8回BFA U-15アジア選手権」。
 U-15侍ジャパンにはどのような選手が選ばれているのか。ポジション別にその顔ぶれを紹介しよう。

  8月下旬にはU-15侍ジャパンの合宿が行われた


<投手>
シュートを武器にする沖縄の逸材
 全国大会での実績に優れた7名が選ばれた。
 小寺智也は日本一3度の名門・西京ビッグスターズ(軟式クラブ)のエース。大ベテランの宮本英一監督いわく「歴代ナンバー1の投手」と最大級の褒め言葉。130キロ台中盤のストレートを内外角に投げ分けられるのが最大の強みだ。
 金村尚真は、豊見城中のエースとして夏の全日本制覇に貢献した。3試合21イニング(特別延長を除く)を無失点。最速136キロのストレートに、伝家の宝刀シュート、ゴロを打たせるスライダーと、多彩な球種を操り、完成度の高いピッチングを見せる。特に右バッターの内側に切れ込むシュートの質の高さは、中学生離れしている。
 投手陣唯一の左腕が、海星中の大須賀健祐。180センチ75キロの大型左腕で、角度のあるストレートとタテ割れのカーブが光る。長打力を持ったバッティングも魅力で、投打両面での活躍が期待されている。
 秋のKWB大会での活躍が認められて、最後の18人目の枠に選ばれたのが藤江亮太。幸田北部中で夏の県大会3位、岡崎・幸田選抜ではKWB大会準優勝に輝いた。キャッチャー、ピッチャー、ショートと、守備の要をすべて守れる万能選手。KWBの決勝では2回からマウンドにあがり、延長9回まで10三振を奪った。地肩の強さはずば抜けており、硬球を握れば早い時期に140キロを超えてくる可能性がある。
 松澤海渡は埼玉スーパースターズ(県選抜)の抑えの切り札として、秋のKWB大会日本一に貢献した。微妙に動くストレートに特徴がある。


<捕手>
NPBジュニア出身のキャッチャー陣
 阿部大夢は小学6年のときに楽天ジュニアに選ばれた経験を持つ。仙台育英秀光中では下級生のときからレギュラー捕手を務め、2年夏に全中優勝、3年夏には全中準優勝に輝いた。
状況を読んだうえでのプレーにうまさがあり、打つほうではつなぎの役割を担う二番打者での起用が予想される。走れる足もあり、得点を奪うためのキーマンになりそうだ。守備では次のプレーを熟知したカバーリング、バックアップのレベルが高い。球場で観戦する機会があれば、ぜひとも注目してほしいポイントだ。
 山本將太は、読売ジャイアンツジュニアの出身。キャッチャーで見せる鉄砲肩は、中3世代ではトップクラスといって間違いない。春の全日本で毎試合のように長打を放っていたバッティングのレベルも高く、ベルト付近の甘いコースを確実にとらえていく。高校関係者も注目している逸材キャッチャーだ。

  キャッチャーの山本將太選手


<内野手>
 実績ナンバー1なのが、門川中のキャプテン・ショート・1番打者として史上二度目の春夏連覇に貢献した椿原塁。侍ジャパンでもキャプテンを任されることが決まっている。グラブさばき、フットワークの巧みさは、侍ジャパンのなかに入っても際立つ存在で、ショートのレギュラーが確定的。打つほうでは、広角に打ち分けるバットコントロールが魅力で、全中の2回戦では4打数4安打と打ちまくった。
 永尾竜聖は日野中の3番打者で活躍し、夏の全日本準優勝。4試合でじつに5本の長打を放った。フォロースルーの大きなバッティングは、見ていて気持ちがいい。
 松木玲穏は福岡選抜の主軸として、夏のKWB大会で活躍。あわやホームランの飛球を連発し、侍ジャパンの座を勝ち取った。
 KWBボールは、軟球に比べると重たいため、軟球以上に長打が生まれる可能性が低い。重いボールを打つには、バットの重さも必要となる。中学軟式では700グラム台のバットを使っている選手が多いが、KWBボールを打つにはあまりに軽い。そこで、代表選手の多くが使っているのが、800グラム台前半の中学硬式用のバットだ。
つまり、ボールもバットも、これまで使っていたものよりも重くなるということ。この状況で長打を打つには、バットを振る力が絶対的に必要になってくる。永尾や松木には、長打力に期待がかかる。
宮内竜志はスピード感あふれるプレーが魅力の内野手兼ピッチャー。飯岡中ではエース、千葉ファイターズ(県選抜)ではショートとピッチャーで活躍していたが、侍ジャパンではサードでの起用が濃厚だ。


<外野手>
 外野手は足とバッティングを兼ね備えた3選手が選ばれた。
 高橋翔は仙台育英秀光中の主軸として、夏の全中準優勝に輝いた。バットスイングの速さ、強さは、とても中学生とは思えぬ迫力があり、右の長距離砲としての役割が求められる。
 中村奎太は2年春に全日本に出場。3年秋には千葉ファイターズに選ばれ、キャプテンとしてチームをまとめあげた。
 竹内純也は町立の吉岡中を全中に導いた立役者。ファーストストライクから積極的に振っていくバッティングと、センターからの刺せる肩が光る。
 

 これまでの大会を見ると、KWBボールの性質上、得点の取り合いになることは少ない。1点を争うロースコアの試合が多くなるのは間違いないだろう。
 長打が出るのが理想だが、ナショナルチームのピッチャーとなればそう簡単には打てない。そうなったときにカギを握るのは、足やエンドランを絡めた野球。いかにして、1点を取るか。1点の積み重ねが、アジアの頂点につながっていくはずだ。


◆侍ジャパン U-15選手一覧




参照「侍ジャパンオフィシャルサイト」
http://www.japan-baseball.jp/jp/team/15u/



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