ただ、初めて日本代表チームに身を置き、大切なことも学んだ。「野球に向き合う姿勢です。代表チームでは、練習から全員で声を出してダメなところを言い合えました。言われることで気づくことも多いし、反対に言う以上は自分もちゃんと周りを見ないといけないし、自分もちゃんとしないといけない。甲子園とは違う緊張感がありました。U18大会の方が甲子園より観客が少ないのに、なぜか緊張しました」。
日本にはない環境下でのプレーもまたとない経験となった。韓国は日本と違ってグラウンドの土が硬く、掘っても硬い粘土質の土で滑りやすい。人工芝でも芝の生え方が日本と違い、プレーに支障もあった。それでも“これが国際大会”と受け止め、今後に生かす。
「大会を通して自分の力のなさも感じました。スイングのスピードもそうだし、体の力も周りとは全く違う。これから体作りをしっかりして、どんな速いピッチャーが来ても負けないスイングを身につけたいです」。明るいキャラクターでベンチを盛り上げるなど、元気印の背番号22だった。9月27日付けでプロ野球志望届を提出した。両手に抱えきれないほどの経験を胸に、次のステージに向け更なる高みを見つめている。
(文・写真:沢井史)