選手

U18で得た経験を糧に、水上桂(明石商)が見据える次のステージ

2019.10.15

 バッテリーを組んでいくうちに“良さ”を発見したのが西純矢(創志学園)だ。 「西はもともとコントロールが良いんですけれど、特に左打者のコントロールが抜群でした。フォークとストレートの腕の振りが同じで、スライダーの曲りもすごかったです。去年の夏の甲子園の西君のピッチングを動画で見てチェックはしたのですが、あのスライダーを何で簡単に振ってしまうんかなと思っていたら、受けてみて納得しました(笑)。あんなにキレのあるスライダーはなかなか見ないですね」。  スーパーラウンドのアメリカ戦で、2番手で登板した西は、伸びのあるストレートで強打者達を黙らせ流れを呼び込んだ。この時、水上は強振してくるアメリカ打線からストレートで空振りが奪えた西を絶賛していた。「西は気持ちが強くて、ボールにすべての力を込めて投げられるんです。コースにきっちり投げられたコントロールも良かったですね。あれだけマウンドで堂々と立たれたら、打者も怯むと思います」。  自チームでもクローザー役を務めている飯塚脩人(習志野)は、伸びのいいストレートだけでなく“無回転フォーク”に驚愕した。「自分が捕球できなくて審判に当たってしまったのが、そのフォークです(アメリカ戦)。聞くと、(習志野の正捕手の)兼子君も右手で捕ってしまうほど捕るのに苦労したと聞きました。しかも速かったですね」。  そんな中、水上がこだわるのは左腕との相性だ。実は水上は左腕とバッテリーを組むのが好きなのだという。「速球派のピッチャーはストレートである程度抑えられるんですけれど、左のコントロールのいいピッチャーは、キャッチャーの配球で決まると思うんです。(自チームの左腕の)杉戸と組む時、リードの組み立てをあれこれ考えながら配球するんですけれど、それで抑えられたら楽しいじゃないですか」。今回の代表は左腕が宮城大弥(興南)と林優樹(近江)の2人のみだったが、いずれもコントロール、テンポが良い。宮城は速球派だが、変化球のキレや総合力が高く、水上いわく宮城は一番好きなピッチャーだという。 「これだけすごいピッチャーを受けることは今後あるか分からない。こんな経験をさせてもらえただけでも嬉しかったです」と水上は表情をほころばせた。


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