学校・チーム

【中学軟式】人として生きる力をつけてほしい 〜上一色中・西尾監督〜(2)

2014.9.25
部員一人一人が考えて行動できる上一色中野球部


悔し涙を流すことも大事

 上一色中の選手達は、最後の夏に負けたとき嗚咽するほど号泣する。それだけ目標に向かって一生懸命頑張ってきた証拠と言えるだろう。

「最近は感情が出にくい子供が多いですが、うれしいときは思い切り喜んで、悔しいときは納得するまで泣けばいい。その涙が次へのステップになるはずです」

上一色中の体の大きさは食事にあり

 毎年、体の大きな選手が多い上一色中。その秘密は食事にある。特に重視しているのが朝ご飯だ。

「朝は保護者の協力のもと、炭水化物とたんぱく質中心の食事にしてもらっています」

 基本メニューは、ご飯の上に納豆と卵とナチュラルチーズ。この組み合わせでいくと、納豆が苦手な選手でも食べることができるという。ただ、毎日食べていると飽きてきてしまうもの。シーチキンを加えて、味にバリエーションを出している選手もいるそうだ。

 もちろん、牛乳も飲む。朝ギリギリまで寝ている選手もいるかもしれないが、そんなことでは上一色中のような体は作れない。

 昼ご飯は給食。クラスに決まった量が配られるわけだが、毎日ピカピカに残さず食べ続けると、「このクラスはよく食べるね」と量が増えていくという。それを目指して、クラスの野球部は可能な限り食べる。おかわりは必須だ。

 そして、給食の素晴らしいところは、中学生の成長を考え、バランスのいい献立になっていること。だからこそ残さずしっかりと食べよう。

自ら考えて行動できるようになろう

 最後に中学生へのメッセージをお願いすると、こんな話をしてくれた。

「自ら考えて行動できるようになることです。はじめは指導者に叱られてから動くでしょう。それでもかまいませんが、中学3年生にもなれば、自分で動けるようになってほしい。うちの選手たちも、3年生の夏になってようやく動けるようになってきました。その結果が関東大会出場につながったと思います」

 指導者に言われたまま動くのでは、自分自身も面白くないだろう。言われる前に、自ら考えて動く。この力は高校でも必ず役に立つだろう。

高校でも通用する人間力を育てる西尾監督


<監督プロフィール>
西尾弘幸(にしおひろゆき)・・・1957年生まれ。前任の小松川第三中時代を含め、夏の関東大会に5度出場。打ち勝つチームを作り上げる。

<学校プロフィール>
上一色中学校・・・東京都江戸川区にある公立中学校。普段は外野ノックすら難しいグラウンドで練習をしている。江戸川区は「学校選択制」を採用しており、区内の中学生は基本的に自由に中学校を選べる。本気で野球をしたい中学生が、上一色中を選ぶことも多い。



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