学校・チーム

【中学軟式】人として生きる力をつけてほしい 〜上一色中・西尾監督〜(1)

2014.9.25

東京都江戸川区にある上一色中学校。就任8年目の西尾弘幸監督のもと、打撃を全面に押し出したチーム作りで、ここ4年で夏の関東大会に3度出場している。西尾監督が考える、「人として生きる」「野球選手として生きる」とはどういうことなのか?

Timely!Jr.#1 より転載 2013年8月取材

西尾監督の情熱がチームと生徒を成長させている


チームスローガンは「生命力」

 上一色中のチームスローガンは「生命力」。西尾弘幸監督が親交の深いスポーツライター安倍昌彦氏からいただいた言葉である。

「中学時代にもっとも身につけてほしいことが、人生を生き抜く力です。そのためには、野球だけ頑張るのではなく、学校生活や勉強も頑張ること。それが上一色中野球部の基本的な考えになります」

 学校全体で12クラス。そのうち9クラスで野球部員が学級委員を務めているという。

「野球をやっている自分も、学校生活を送っている自分も、同じ人間です。どちらも頑張ることが、人としての成長につながります。学校生活をさぼっていれば、それが野球のプレーにも出るのです」

 だからこそ、学校生活も野球と同じように取り組む。もちろん、勉強もだ。シビアな話だが、「今はオール3(5段階)の成績がなければ、推薦で高校に入ることは難しい」と西尾監督。大好きな野球を自分がやりたい環境で続けるためにも、勉強は疎かに出来ないという考えだ。

目標を作り、そこに向かって頑張っていく

 ただ、「頑張れ」といっても、目標がなければ頑張ることができない。

「『絶対にレギュラーを獲って活躍する』とか、『強い高校に行って甲子園に出る』といった目標を早い時期に立てることです。目標があればそこに向かって頑張ることが出来ます」

 西尾監督はさまざまな野球を知ってもらおうと、中学硬式野球や高校野球の大会をチーム全員で見に行くことが多い。一昨年は中学硬式野球の日本一を決める、ジャイアンツカップを見に行った。何を感じるかは選手それぞれの感覚で違うだろう。大事なのは、どんな野球をしているのか、どんな世界なのか、そして自分とは何が違うのかを知っておくことだ。みんなも、さまざまな「野球」を積極的に見に行くようにしてほしい。

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