学校・チーム

【作新学院高校】歴史を変えた名門から学ぶ、夏を獲る執念と前向きな心

2016.4.27


現状に満足せず、いかに欲を持つか
前向きな姿勢が夏の勝利へのカギとなる


栃木県の球史に残る、前人未到の夏5連覇を継続している名門・作新学院。
能力の高い選手が揃っているだけに毎年の好成績も当然のような気がしてしまうが、実は決してそんなことはない。


 秋季大会の敗戦から夏の復活へ。プラス思考で目指す頂

 2013年夏の世代。1年夏から甲子園を経験する主将・山下勇斗(現・法大)という注目捕手こそいたが、秋はなんと県1回戦で足利高に4対5で敗退。さらに春も準決勝までは勝ち上がったが、佐野日大に7回コールド、2対9で完敗している。ただ、そんな中で大きかったのは選手たちの精神力。「秋1回戦負けのチームが夏に優勝したら成長率はすごいじゃないか」と、常にプラス思考で練習を積み重ねた。夏も決して楽な戦いではなかったが、準決勝は佐野日大に1対0でリベンジ達成。決勝では1対2で迎えた9回表に2点を奪い、青藍泰斗に逆転勝利を収めた。そして甲子園でも2勝を挙げてベスト16。チームを率いる小針崇宏監督も、「歴代でも特に伸びた世代じゃないですかね」と笑顔を見せながらこう語る。


 夏を獲るためには“上手さ”よりも“強さ”が必要

「選手たちも現実を受け止めるのはツラかったと思うんです。でも敗因をしっかりと分析し、前向きにとらえてくれた。接戦やコールドで負けるのってショックだと思いますが、逆に言えばそういうときのほうが選手は育つのかな、と。そして、毎日の積み重ねが大事なんだというのをちゃんと証明してくれました。私たちはいつも夏を獲るために“上手さ”よりも“強さ”、特に勝負強さや球際の強さという部分を意識していますが、それはやっぱり気持ちの強さに比例すると思いますね」
 そんな彼らの姿を目の当たりにしていたのが、一昨年の夏や昨夏の世代。そして――伝統は今もしっかりと引き継がれている。


写真=小沢朋範


小針崇宏
1983年6月22日生まれ。栃木県出身。現役時代は内野手としてプレーし、作新学院高では2年春のセンバツ8強に貢献。主将を務めた3年夏は県決勝で敗退。卒業後は筑波大へ進み、2006年4月より母校へ赴任。野球部コーチも務め、同年秋から監督に就任する。09年夏に甲子園出場へ導くと、11年夏は甲子園4強。さらに12年は春夏連続出場(夏は8強)を果たし、夏は15年まで5年連続出場を続けている。保健体育科教諭。



PICK UP!

新着情報