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【少年野球指導者のひとり言】"HOW"の落とし穴

2016.8.30

5W1Hってありますよね。

What(何を)、When(いつ)、Where(どこで)、who(誰が)、Why(なぜ)、How(どうやって)という情報伝達のポイントを指します。そして指導者が選手を指導する時というのは、一種の情報伝達な訳ですから、当然この「5W1H」を意識したコミュニケーションをとるべきだと思います。

他のスポーツは分からないのですが、野球の指導者って、この5W1Hで言うと「How」ばかりを指導する方が多いように思います。「上から叩け!」「腕を振れ!」「腰を落として!」「ボールをよく見て!」「声出して!」これら全部「How」です。そうなんです。技術指導の多くは「How」です。そして指導の現場にいて感じるのは、最近の子どもはこの「How」ばかりを気にしている子が増えているということです。

例えば投手を指導している時に「僕の投げ方はどこが悪いんでしょうか?」という質問をする選手が居たとします。でもその子に技術だけを指導してもあまり効果はありません。理由は何を目指しているか不明確だからです。「球速を上げたいのか?」「制球を改善したいのか?」何を目指しているのかを明確にしなければ「How」を指導しても効果は薄いです。野球教室に行こうが、ビデオを見て研究しようが、そういう子に「How」を押し付けることは砂漠に水をまくような行為だと思います。

これって野球以外でも同じだと思います。目的意識が薄く手段に目を奪わがちな人は、仕事でも言われたことしかできないというケースが多いように感じます。目的意識の高い子を輩出するためにも、私はグラウンドでも特に「What」「Why」を説くコミュニケーションに多く時間を割きたいと思います。

※Facebookページ「少年野球指導者のひとり言」より転載。


著者:廣川 寿(ひろかわ ひさし)
愛媛県出身。松山北高校時代に投手として選抜高校野球(春の甲子園)に出場。甲南大学時代は投手として阪神大学野球連盟の数々の記録を塗り替える。社会人野球まで投手として活躍。自身の息子が少年野球チームに入部したことをきっかけに学童野球のコーチとなる。現在は上場企業の管理職として働く傍ら、横浜港北ボーイズのコーチとして「神奈川NO.1投手の育成」を目標に掲げ、中学生の指導に情熱を注ぐ。


  



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