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【東海大学付属甲府高校】二枚看板に聞いた、プレッシャーとの向き合い方

2016.7.13
左:松葉行人 右投左打。176センチ、69キロ。キレのあるチェンジアップと4スミをつく素晴らしいコントロールで相手打者を打たせてとる技巧派。
右:菊地大輝 右投右打。183センチ、83キロ。最速146キロの高校球界屈指のスライダーを武器に、ストレートでガンガン三振をとる剛腕タイプ。


背番号『1』をめぐって競い合う2人のプレッシャーとの戦い方

2年生のときからエースの座を守り続けていた菊地大輝投手だったが、自身のおごりから春のセンバツ大会では松葉行人選手に背番号1を奪われてしまう。夏の大会に向け、切磋琢磨しながら練習に励む2人にプレッシャーと戦う方法について取材した。


――登板する前はどんな気持ちになりますか。
菊地マウンドにあがる直前は緊張しますけど、先発するのがわかったときは早く投げたい気持ちでいっぱいになります。県大会の決勝や甲子園大会など、大舞台になればなるほどワクワクがとまりません。僕は野球を楽しみたい気持ちが強いんです。
松葉菊地と同じで試合を楽しむ派です。公式戦はモチベーションがあがります。

――ピンチを迎えたときの“焦り”にはどう対処しますか?
菊地 「最悪だな~」って思ってると、キャッチャーの亀田がマウンドにやってくるんです。相手バッターをどう打ち取るかについて話し合い、自分がやるべきことがクリアになると気持ちが落ち着き前向きになります。
松葉 僕はバッターが打てない場面を想像し、いいイメージを持って投げるようにしています。ここに投げたら打たれるかもと思って投げた球が打たれたときは、逆にバッターが僕の思い通りに動いてる気がして、調子があがっていく。でも、たまにキャッチャーがマウンドにやってくることがあって、自分ではいいイメージで投げているのに相当ヤバい状況なんだなって、急に現実に引き戻されます。
菊地 ピンチを迎えるとベンチや内野手、キャプテンの鬼頭をはじめ、チームメイトから声がかかるんです。鬼頭は「ガンガンいけ!」、内野手は「1球1球投げてストライク入れば大丈夫だ。ボールでもいい球いけば大丈夫!」って言われると、かなり落ち着きます。

――エースの座をめぐって争ってるけど、気持ちが折れかけることはありませんか?
菊地 思ったことはパッと外に出さないと落ち着かないので、不安に襲われそうになったときは、今つけている野球ノートに「松葉には負けたくない」って書きます。ノートに書くと、目標が明確になって前向きになれます。
松葉 僕は、人に言いたくないので自分の中にためて、練習にその思いをぶつけるタイプ。ストレートな気持ちを野球ノートに書くことはないですが、練習試合で打たれたときなどは、今、自分に足りないことを書き、練習で見返すようにしています。

――気持ちの整え方がまったく対照的! 投球スタイルもタイプが違います。
松葉 自分はスピードがない分、コントロール重視。菊地は球が速くてうらやましいです。
菊地 僕は変化球を多投したり、ストレートで押したり。いろいろ球種を組み立てて挑んでいるのに、松葉は抜群のコントロールとキレのあるチェンジアップでバッターを押さえてる。そんな松葉のいいところを全部もらいたいって思います。
松葉 僕の場合は、毎回しっかりコントロールしながら投げるのでかなり気を遣います。菊地みたいにバンバン投げ込んで、三振をとってるのを見ると楽しそうだなって(笑)。
菊地 ノッてきたら自分のものです。どんどん気持ちがあがっていきます。
松葉 ホントに手が付けられないです。
菊地 松葉のチェンジアップだって、相手バッターが打てずにくるくる回ってるよ。それを見てノッてるな~って思う。

――最後に夏の大会に向け、意気込みをお聞かせください。
菊地 背番号1の座を守り、松葉のチェンジアップよりいいチェンジアップを磨きたい。
松葉 僕は背番号1をとるために、菊地より数字の面でいいピッチングをしたいです。




松葉行人流 プレッシャーと戦うコツ
・押さえる場面を想像しいいイメージを持ってバッターに投げ込む
・自分に足りない部分を野球ノートに書き確認しながら練習する


菊地大輝流 プレッシャーと戦うコツ
・メンバーのかけ声に耳を傾け冷静さを取り戻す
・野球ノートには心の感情に従って素直に書くことも大切



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