学校・チーム

【海星高校】メンタルトレーニングを導入した森下監督流ハートの強い選手を育成する方法(その1)

2016.7.11
School Data
●監督/森下晃理  ●部長/高田篤
●部員数/3年生24名、2年生35名、1年生25名
1945年創立。過去にセンバツ2回、選手権11回出場。春夏合わせ計3回ベスト8入りを果たした。OBには岡本篤志(埼玉西武)、高木勇人(巨人)らがいる。


メンタルトレーニングを導入した森下監督流ハートの強い選手を育成する方法

三重県を代表する強豪校であり、東海地区でも一目置かれる存在の海星高校。昨秋から取り組むメンタルトレーニングで選手たちの表情は見違えるように変化した。日本一長い夏を目指す野球部にハートを強くするコツを聞いた。


日常生活から“脳”を育てる抜本的な取り組みで選手が成長

 「日本一の選手になる」。ありきたりな目標かもしれないがこの言葉を口に出し、本気で取り組んでいる高校が三重県にある。昨秋、県大会を制した海星高校野球部だ。全員が一丸となって日本一の選手になるためにはどうしたらいいか本気で考えて練習している。

「以前は大事な場面で委縮してしまう選手が多く、パフォーマンスを最大限発揮できませんでした。もっとのびのびと自信を持ってプレーするにはどうしたらいいか、いろいろ考えました」と森下監督は話す。

 負けたら終わり。一発勝負の夏の大会は、高校生活で一番緊張する場面。そこで最大限の力を発揮するためには、日常生活や練習から日本一を目指す脳を持つことが大事だと知った森下監督。早速、昨秋からメンタルトレーニングを取り入れることにした。その内容とは、結果を前提にするのではなく、日常生活や練習に焦点を合わせ、行動や表情、言動などすべてにおいて前向きに考えられるように意識を改革し、試合で力を発揮する試みだ。

「就寝時と起床時に『日本一になろう』と自分の脳内で唱えます。寝る前には一番気持ちが高まる曲を聞きながら、ベストプレーした状況をイメージして眠りにつきます。走塁練習にしてもサヨナラの場面や優勝の場面を想定し、スライディングをした後にガッツポーズをしたりしています。厳しい練習を選手たちに課しても、嫌々やっていたのでは意味がありません。心の底から本気で練習に取り組み、選手たちが己を奮い立たせることができるかが大切です」。

 早速、効果が表れたのは朝の声出しだ。

 「最初は遠慮がちだった選手が自ら積極的に参加するようになりました。また、例年、夏の大会前にメンバー入りを諦めてしまう3年生が多くいたのですが、現3年生はまだまだやれる、絶対ベンチ入りを目指すぞ!といった強い気持ちを示してくれています」。

 いつでも全力で取り組む姿勢を崩さない海星高校野球部員。頂点を目指した“日本一長い夏”への戦いが始まっている。

日本一を目指す!





森下晃理
Akimasa Morishita
1977年3月10日生まれ。三重県四日市市出身。海星高校では1993年の春・夏、1994年夏と計3回甲子園に出場。立命館大学に進学後、西濃運輸で社会人野球を経て、2008年に母校の監督に就任。





森下監督流 ハートの強い選手を育成するコツ
・すべてにおいて本気で取り組む
・『日本一になる』と自分の脳内で唱える
・何事も諦めず強い気持ちを示す



PICK UP!

新着情報