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【智辯学園】選抜優勝投手・村上頌樹投手に聞く、大舞台でも焦らないコツ

2016.7.11
智辯学園高校
村上 頌樹投手



投打で活躍する選手は大舞台でもなぜ焦らないのか

春の選抜では、決勝まで接戦続きの中、数多のピンチを持ち前の強心臓で凌ぎ、打者としても決勝戦では決勝点となるタイムリーを放った。
これまで試合を決定づける活躍をしてきた村上投手に大舞台でもぶれない心の持ち方について取材した。


Q:メンタルを強くするために日頃から実戦していることは何ですか?
村上:投手陣のまとめ役を任されているので、自分の投球だけでなくピッチャー陣全体を見ることを意識しています。その責任感がメンタル面にも好影響を与えているかもしれません。

Q:マウンドに上がる前のルーティンはありますか?
村上:特にこれといったものはないのですが、1日20本の坂道ダッシュは欠かしたことがありません。日々の積み重ねが、「ここまでやったから負けるわけがない」という意識に繋がっていると思います。

Q:自身が大きく変わるキッカケを掴んだ試合は何ですか?
村上:昨秋の大阪桐蔭戦です。試合中は慎重になりすぎて「打たれたらどうしよう」という不安を抱えたまま投げていたら、結局打たれて敗戦。「二度とこんな試合をしたくない」という思いをバネに、ピンチになればなるほど、「自分が抑えてやろう」と前向きに捉えられるようになりました。「打てるもんなら打ってみろ!」と、今はストレートで押すピッチングを主体に強気で投げ込んでいます。

Q:甲子園という大舞台で、開幕カードに当たり緊張はなかったですか?
村上:最初は、「うわー」と思いましたが、「自分たちの代で開幕試合を経験できるのは多くて4校。選ばれたのは逆に貴重な体験だな」というチームメイトの言葉でプラスに捉えられました。そのおかげで、開会式では早く試合が始まってくれとすら思いました。多少緊張する試合はありましたが、ほとんどの試合では早く投げたい気持ちでいっぱいでした。

Q.初の全国優勝がかかった決勝戦、どんな気持ちでマウンドに上りましたか?
村上:平常心を持ってマウンドに上がることができました。でも、今振り返るとワクワクした気持ちの方が大きかったかな。「決勝のマウンドで投げる」というなかなかできない経験を楽しもうと考えていました。

Q:ピンチにはどんな気持で向き合っていますか?
村上:やはり大阪桐蔭戦をイメージします。あのときの悔しさを思い出して、「不安な気持ちを持ってはいけない」と自分を奮い立たせるようにしています。もちろん、チームメイトがマウンドに集まってかけてくれる声も力になっています。

Q:ピッチャーとバッター、気持ち的な違いはありますか?
村上:ピッチャーとしては「自分の力を試したい」という想いが強く、投げていると自然と楽しくなってきます。バッターとしては、「ここで打たないと」と緊張する場面もありますね。

Q:バッターボックスに入るときは何を心掛けていますか?
村上:いかに次のバッターに繋ぐか、ということを考えています。選抜の決勝戦、延長の場面でも「とにかく繋ごう」という意識でバッターボックスに立ちました。結果的に抜けてくれて良かったです。

Q:最後に夏に向けた課題を教えて下さい。
村上:個人としては、コントロールの精度を上げること。ピンチのときにこそ厳しいコースをつく意識を強く持つことです。春に対戦した履正社高校には高めに浮いた球を打たれたので、特に修正したいポイント。

チームとしては、チームワークが大事! 僕たちはチーム全員が力を合わせないと勝てないチームなので、連覇を期待する声もいただきますが、夏の甲子園に出場するためには、一戦一戦に集中し、全員で力を合わせて乗り切ることが課題です。

「今ではピンチになればなるほど、“自分が抑えてやろう”と思える」




村上頌樹
Shoki Murakami
兵庫県南あわじ市出身。中学時代はアイランドホークスに所属。1年夏の甲子園対明徳義塾戦で甲子園初登板を果たす。2年生以降はエースとして君臨し、今春の選抜では47イニングを一人で投げ抜き、智辯学園を初の優勝に導いた。MAX145㌔のストレートに、スライダー、カーブ、チェンジアップ、フォークを織り交ぜた投球術で打者を翻弄する。






村上頌樹流 大舞台でも焦らないコツ
・試合前日は、何点に抑えれば勝てるとイメージする
・打たれた試合を教訓に、悔しい思いは二度としないという強い気持ちを持つ
・積み重ねてきた練習を振り返り、試合での自信に変える



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