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「わからないことをそのままにしない」湘南高校卒・東大宮台投手に聞く、文武両道のコツ

2016.7.14



 野球も勉強も負けたくない。わからなかったら悔しいという気持ちがある

――宮台投手は湘南高校から東大に進み、東京六大学リーグではこの春までに3勝。これまで、勉強と野球を両立させるために工夫してきたことはありますか。
「ひとつ言えるのは、小さい頃から勉強が嫌いではなかったということです。勉強ってわかったら、楽しいものですよね。その楽しいことが、ひとつずつ積み上がってきて、今があると思います」

――そうなるのが理想ですけど、勉強をするうちに嫌いになる人がほとんどのような気がします。
「それは、分からないことを分からないままにしているからではないでしょうか。分からないままでは、『勉強やりたくないな』と思うのは当然のこと。ぼくは授業で分からないことがあれば、終わったあとに先生に聞いて、分かるまでできるようにと心がけていました。分からないからといって、あきらめてしまうか、誰かに聞いて理解できるまでやるかの違いは大きいと思います」

――「分からないことは聞く」というのは誰かの教育ですか?
「いや、教育というか自然に思うものではないですか? 分からなかったら悔しいし、バツが付いたら悔しいので」

――「野球と勉強はつながる」という話も聞きますが、実際のところはどんなふうに感じていますか。
「つながるとしたら、気持ちの部分だと思います。やっぱり、野球も勉強も負けたくないし、一番になりたい。進学校の生徒は、そこが根底にあると思います」

――時間の使い方で工夫していたことはありますか。
「湘南高校ではグループによって、朝練がある日とない日が決められています。ぼくは朝練がある日もない日も同じ時間に起きて、学校に行く。朝練がない日には、教室で朝練の時間分だけ勉強するようにしていました。そうすれば、生活のリズムが崩れることもありません」

――野球との気持ちの切り替えはどんなふうに考えていましたか。
「野球をやるときは野球のことだけを考える。授業中は勉強に集中する。24時間を勉強のためだけに考えられるようになったのは、3年生の夏の大会が終わってからです。1日12時間の勉強を目標にして、実際には10時間ぐらいはしていたと思います」

――人によって学力のベースに違いはありますが、高校生に勉強のアドバイスを送るとしたら、どんな話をしますか?
「まずは、できることから少しずつ取り組むこと。たとえば、英語の単語帳をカバンに入れておいて、電車の移動の10分でもいいのでそれを見るようにする。この10分でスマホを触るか、単語帳を見るかで違いが生まれますよね。それが1日ではなくて、1カ月、2カ月となれば、もっと大きな違い出てくる。こういった積み重ねを大事にしてほしいと思います」



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