カラダづくり

野菜と野菜ジュース

2016.6.9
  ビタミンCは酸化しやすいので、ミキサーでつくったジュースはすぐに飲むようにしよう。

 毎日野菜をキチンととっているアスリートはどのくらいいるでしょうか。忙しい毎日ではパッと食べられる丼物であったり、麺類などで軽く済ませてしまい、「野菜が足りてないかも…」ということがあるかもしれません。「野菜はなかなか食べられませんが、代わりに野菜ジュースをとっています」という声を聞くこともありますが、野菜ジュースは野菜の代わりになるのでしょうか?

 火を加えていない生の野菜にはビタミンやミネラル、食物繊維といったものが含まれていますが、市販の野菜ジュースは「濃縮還元」と書かれたものが大半を占めます。原材料を一度加熱し、水分を蒸発させて濃縮し、飲みやすさを考慮して糖分や食品添加物などを加えてジュースにしています。この工程を考えると熱に弱い栄養成分は野菜ジュースには加工される段階で、失われてしまうと考えられます。ビタミンCはその代表的なものですが、加工による損失を考慮して、最近ではビタミンCを補った野菜ジュースなども市販されています。またビタミンCは抗酸化作用があるため、酸化防止剤としての役割も果たしています。野菜ジュースに含まれるビタミンCは野菜由来のものではなく、添加物であることを理解しておきましょう。

 一方、加熱処理に強い栄養成分は野菜ジュースに豊富に含まれます。緑黄色野菜に含まれるビタミンAやベータカロチンは抗酸化作用があり免疫力を保つことが期待できますし、余分な塩分を体外に排出する作用のあるカリウムなども豊富に含まれます。またジュースに使用される野菜にもよりますが、ほうれん草・ケール・小松菜などは鉄分を多く含むので、これらの野菜を原材料に使用しているジュースには鉄分がより多く含まれています。さまざまな野菜ジュースがありますので、パッケージの栄養成分表示で内容を確かめるようにしましょう。

 一日に必要な野菜の量は350gといわれていますがこれは小鉢5~6皿分に相当し、一度にたくさん食べることはむずかしいかもしれません。一方、野菜ジュースではある程度の野菜の栄養素をとることが可能ですが、効果的に摂取できる栄養素と摂取しにくい栄養素があります。また飲みやすさを考慮した糖分も含まれるので、習慣化し、大量に飲むと糖分過多のリスクが大きくなります。野菜ジュースはあくまでも食事の補助食品としてとるように心がけましょう。


  


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