トレーニング

アスリートと活性酸素

2016.6.6
  紫外線を浴びることや激しい運動は体内に活性酸素を発生させる


 日頃から運動をしているアスリートは健康的なイメージをもたれがちですが、実は激しい運動を繰り返すことによって免疫力が低下しやすくなったり、体内で発生する活性酸素による影響を受けたりと、身体を酷使していることによって変調をきたすことがあります。活性酸素は主に呼吸によって体内に取り込まれた酸素が代謝される際に発生するものであり、激しい運動だけではなく環境によるもの(たとえば紫外線や排気ガス、大気汚染など)やタバコ、電磁波、ストレスなどによっても発生すると言われています。

 活性酸素は「身体に悪いもの」というイメージがあるかもしれませんが、もともと体内に存在するものであり、免疫機能や酵素の働きを促す機能をもっています。しかしこれが過剰に増えてしまうと細胞を酸化させダメージを与えるようになってしまいます。細胞が酸化すると体内の組織が衰え、皮膚であればシミやしわが増えてしまったり、体力面では息切れをしやすくなったりと、身体そのものの老化へとつながっていきます。スポーツは激しい運動を伴うことが多いため、こうした活性酸素にさらされる機会が多くなると考えられます。

 活性酸素による身体の酸化を防ぐ“サビ止め”機能としては、酵素やタンパク質、ビタミンなどがあげられます。抗酸化作用をもつ代表的なものがビタミンCであり、疲労回復や抗炎症作用などアスリートにとっては必要不可欠なものといえるでしょう。緑黄色野菜には多くのビタミンCが含まれますので、なるべく加熱せずに食べるようにすると効率よく摂取することができます。その他にもビタミンA(レバー、うなぎ、緑黄色野菜等)、ビタミンE(植物油、ナッツ類、たらこなどの魚卵類等)なども身体が錆びるのを防ぐ“サビ止め”効果が期待できます。また抗酸化機能のあるポリフェノールを含むもの(たとえばカテキンが含まれている緑茶、アントシアニンが含まれているブルーベリーなど)も意識してとるようにすると良いでしょう。

 日常生活を送る上で必ず体内に発生する活性酸素ですが、アスリートは特に大量の活性酸素を抱え込むことが考えられます。体調を崩したり、ストレスを抱えることでも活性酸素は増えてしまいますので、栄養と休養のバランスをとりながら規則正しい生活をとるようにしたいものですね。


  



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