カラダづくり

水分補給をしていても脱水症状が起こる?夏場に起こりがちな自発的脱水の怖さ

2016.5.19
  大量に汗をかいて体内のナトリウム濃度が薄まると、身体が水分を受け付けなくなってしまう。

 これから暑くなる時期はスポーツ時の脱水や熱中症対策として、こまめな水分補給が大切となってきます。身体が暑さに慣れていないときは、比較的涼しいとされる気温でも熱中症になることがあるため、注意が必要です。しかし汗とともに流れ出た塩分を補わないまま、水分だけを大量に飲み続けるとかえって脱水症状を悪化させることになってしまいます。見た目は水分補給を行っているのに、身体の中では脱水症状が進んでしまうことを「自発的脱水」といいます。塩分をとらないまま水分だけを補給するとこうした脱水症状を起こすことがあります。

 汗を大量にかくと、身体の中では塩分(ナトリウム)が汗と一緒に排出され、体液のナトリウム濃度が薄くなった状態となります。そこへ水分のみを大量に摂取すると、体液のナトリウム濃度はさらに薄くなってしまい、電解質バランスが崩れて身体がむくんでしまったり、筋けいれんを起こして筋肉が思うように動かないといったことが起こります。このような状態となると、身体はこれ以上ナトリウム濃度が低下することを防ぐために、水分を身体から排出してナトリウム濃度を上げようとします。汗や尿などから水分を排出することで身体のナトリウム濃度は回復しますが、体内の水分量は減ってしまうことになり、さらに脱水症状が進んでしまうということになります。このままの状態を放置しておくとやがて体温が上昇し、熱中症を引き起こすリスクが高まります。

 自発的脱水では、水分を排出するように身体が反応するため、喉の渇きを感じなくなり、水を飲みたいと思わなくなります。それと並行してトイレに行く回数が増えるようになります。水分補給をしてからどのくらい時間が経ったかを確認し、長時間にわたって水分補給をしていない場合は水分とあわせて適量の塩分をとるようにしましょう。汗には0.2~0.3%の塩分が含まれているといわれていますので、1リットルの汗をかくと2~3gの塩分が失われている計算になります。かいた汗の分を補うつもりで塩分をとるようにし、自発的脱水を予防するようにしましょう。


  


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