カラダづくり

たんぱく質に含まれるコラーゲンが貴重な接着剤の役割をこなす

2016.4.28
  コラーゲンを含む食材はケガの早期修復が期待できるもの

 私たちの体は約60%が水分で構成され、残りの40%の大半がタンパク質であるといわれています。コラーゲンはタンパク質の一つであり、骨や皮膚、髪の毛、爪、血管、内臓などあらゆる組織に存在して、細胞と細胞をつなぐ「接着剤」のような役割を担っています。特に骨と骨をつなぐ靱帯や腱などは弾力性をもたせつつ、しっかりとつながっていることが大切で、ケガをしたときなどはリハビリテーションとともに栄養面ではコラーゲンをとるようにアドバイスを受けた人がいるかもしれません。

 ケガからの早期復帰を目指し、食事やサプリメントでいつも以上にコラーゲンを摂取すればよいのではないかと考えがちですが、食事などからとったコラーゲンがそのまま直接ケガをした部位や組織に届くわけではありません。摂取したタンパク質は一度体内で分子レベルであるアミノ酸に分解され、そこから血流にのって全身へ運ばれます。血液の中に多くのコラーゲン分子が存在すると、血流によって体全体に運ばれ、そこで初めてケガをした部位や組織にまでコラーゲン分子が行き渡ることになるのです。

 ケガをして日も浅い急性期(受傷から2、3日程度)においては、炎症症状を抑えるために患部を冷やすためのアイシングを行いますが、急性期を過ぎ、痛みが和らいでから後もアイシングを繰り返すと、今度は患部に十分な血流がもたらされなくなります。手や足先など身体の末端部分は特に血流が少なくなりがちですので、痛みや腫れなどの炎症症状がおさまった段階で、血流をよくする方向にシフトし、酸素やコラーゲン分子などが十分組織に行き渡るようにして、組織の修復をはかります。こうしてようやく食事などから得られた栄養素が、患部に届けられることになるのです。

 コラーゲンとはすなわちタンパク質に含まれる栄養素の一つであること、そして食べたものが直接作用するのではなく、消化(分解)・吸収・代謝という過程をへて組織に届くことを理解し、ケガをした時などは意識的にコラーゲンを含む食材を中心に食べることも心がけてみましょう。


  


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