トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(31)

2016.3.2

 こんにちは。リトルロックハート(野球塾)のコーチ、大友です。
 31回目となるK君のコーチング連載、今回は「肩を使わずに投げる」をテーマに解説を進めていきました。

「肩を使わずに投げる」と聞くと違和感を感じる方も多いかもしれません。しかしボールを投げる動作で、肩関節は使うべきではないのです。もっと厳密に言うと投球時、「ボールを持っている間」は肩関節を使うべきではないのです。ボールを持っている間に肩関節を使い過ぎてしまうと、それは大きな負荷となり、肩痛の原因になってしまいます。

 まず肩関節を使うとは、ボールを肩関節の水平内転動作によって加速していく動作です。腕を真横に水平の高さまで上げて、そこから「前習え」の形になるまで肩関節を動かしていく動作です。この動作によってボールを加速させてしまうと、簡単に肩を痛めてしまいます。

  肩肩肘のラインが一直線


 K君の写真を見ていただくとおわかり頂けると思いますが、ボールリリース時であっても、肩・肩・肘のラインは一直線になっています。つまりボールの加速を、肩関節を使わずに行えているということです。ではどこで加速させるのかと言いますと、30回目の連載を思い出してみてください。股関節の動かし方についてお話ししたと思います。そうです、ボールの加速は肩関節ではなく、股関節で行うべきなのです。

 ボールを持っている間は、非軸脚側の股関節を内旋させることによって、手に握っているボールを加速させていきます。そしてボールをリリースし終えたら、ようやく肩関節を水平内転させても良い状況になります。つまりフォロースルーフェイズですね。

 肩関節を使って腕を振ってしまうと、腕そのものが遠回りしてしまいます。バッティングでもバットが遠回りしてしまうとミート力は低下しますよね?それと同じで、ピッチングでも腕が遠回りしてしまうと制球力が低下してしまうのです。

 腕をコンパクトに振っていくためにも、ボールを持っている間は肩は使わず、股関節の内旋によってボールを加速させていってください。そうすれば腕はリラックスさせたままでも速いボールを投げられるようになります。しかも肩を必要以上に動かしていないため、肩にかかる負荷も最小限に抑えられ、故障を未然に防ぐことも可能となるわけです。

 K君もコーチングを受ける前は完全に肩でボールを投げている形でした。しかし今ではしっかりと股関節を使えるようになり、肩関節をあまり使わずにボールを投げられるようになりました。そのため制球力もグングン向上しています。

 今回行った制球力テストも100点満点中78点でした。1球だけすっぽ抜けがあり、それさえなければ80点以上のハイスコアです。読者の皆さんもK君の成長に負けずに、しっかりとこの場でのコーチングに付いて来て、K君のように技術を向上させてくださいね!




  



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