カラダづくり

アスリートと炭酸

2015.8.28
 「炭酸は体に悪いから飲んではダメ」と言われたことがあるかもしれません。確かに市販の炭酸飲料(ジュース等)にはかなり多くの糖分が含まれており、飲みすぎるとペットボトル症候群(急性糖尿病)を引き起こすほか、炭酸飲料に含まれるリン酸はカルシウムの吸収を阻害し、内臓への影響も懸念されています。しかしこれはあくまでも糖分が多く含まれた炭酸飲料の話。糖分を含まない炭酸水についてはうまく活用することで、血行促進や疲労回復に効果があると言われています。

 炭酸水を飲料として飲むと小腸から吸収され、血中の二酸化炭素濃度が上がります。通常の二酸化炭素濃度よりも高くなると、体は血中の酸素が不足していると判断して、血管を広げて血流量を増やすようになり、その結果、血液循環が促進されて疲労物質の代謝・分解のサイクルがより早く進むことになります。またケガをした部位の治癒促進に関しても、血行をよくすることは必要不可欠なものですが、炭酸水のこうした作用を上手に利用することでケガをした組織に好影響を与えることが期待できます。運動し、筋肉を動かすことによって疲労物質がたまり、体が疲労を感じるようになりますが、こうした疲労物質を炭酸水はうまく排出する作用があります。

 最近では炭酸による入浴効果なども指摘されていますが、こちらはお湯に溶けた炭酸ガスが、皮膚を通り抜けて皮下の毛細血管に直接作用し、血液の二酸化炭素濃度を高め、血液循環の促進につながります。

 たくさん飲みすぎると胃の膨満感を引き起こし、食事量そのものが減ってしまうという懸念はありますが、少量であれば食欲増進にもつながり、胃腸の運動を活発にすることによって便秘の改善などにも効果があるといわれています。昔から「炭酸飲料が体に悪い」といわれてきた理由の大きな原因は糖分摂取にありますが、炭酸が体にもたらすメリットについてもよく理解した上で、上手に活用したいものですね。




  


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