トレーニング

制球力を向上させるための投球動作改善(2)

2015.5.8

みなさんこんにちは。野球塾リトルロックハートでコーチを務める大友です。今回は大学生投手K君の2回目のコーチングレビュー記事です。前回の記事では、現状のK君の制球力がどれくらいなのかをみなさんに知っていただきました。その上で今回からは、実際に制球力をアップさせていくためのわたしのコーチング方法をご紹介していきたいと思います。

投球動作を改善していくにあたり、まず見なければならないのは足部、つまりスパイクを履いた部分です。エジプトのピラミッドを想像してみてください。最下段からバランス良く石が配置されているからこそ、決して崩れることなくピラミッドは立ち続けることができます。しかしもし、一番下の石がひとつ足りなかったり、並び方がいびつだったらどうでしょうか?ピラミッドはバランスを失い崩壊してしまいます。投球動作もまったく同じです。最下段である足部を安定させられなければ、投球動作全体がバランスを失ってしまうのです。

ということで今回はまず、K君の足部の使い方を見ていきました。左投げであるK君の現状は、振り上げて接地させた右足部がクロス/インステップになっていました。みなさんはこのステップが9種類あるのをご存知ですか?
まず接地する場所がストレートステップ、クロスステップ、オープンステップと3種類あり、その3種類にそれぞれストレートステップ、インステップ、アウトステップが存在し、合計9種類となります。

【クロスステップ】 左からインステップ、ストレートステップ、アウトステップ

【ストレートステップ】 左からインステップ、ストレートステップ、アウトステップ

【オープンステップ】 左からインステップ、ストレートステップ、アウトステップ



制球力が定まらない最悪の状態を、野球界ではイップスと呼ぶことがあります。イップスになってしまう選手のほとんど全員、わたしの経験上クロス/インステップになっています。つまりK君はそれだけ制球力を安定させられないステップの形になっていたということです。

まずクロスステップになってしまうと動作全体が窮屈になってしまい、スローイングアームを遠回りさせなければボールを投げられなくなります。遠回りするということはボールが体から遠ざかるということになり、体から遠く離れたボールを制御することは非常に難しくなります。バットを長く持つことと同じですね。

そしてインステップは、左投手の場合は右つま先が左打者の方を向く形となります。ボールはつま先が向いた方向に投げやすくなりますので、インステップになっているということは、K君は左打者にデッドボールを当てるための投球動作で投げていることになります。これでクロス/インステップで投げると、制球力がどれだけ低下してしまうかおわかりいただけたと思います。



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