学校・チーム

【長野高校】食トレに取り組む長野県下随一の秀才野球部員たち

2017.4.10

長野高校野球部員とマネージャー

県下随一の秀才たちが食トレを野球に生かす

積雪量は全国上位の寒冷地“長野”。県で一番の進学校である長野野球部は、勉強と野球、そして県内の強豪校との差を埋めるべく日々「食トレ」に奮闘している。道端に雪が積もる2月下旬。一昨年には21世紀枠推薦校に選ばれた文武両道の秀才たちの練習に密着した。


◆目 次◆

食事面を鍛え強豪校との差を埋める

身体の質を高め野球に生かす

厳しい環境も覚悟の上で勉強と野球に全力を注ぐ

「食トレ」選手の声

管理栄養士のお弁当チェック!

食事面を鍛え強豪校との差を埋める

自身も藤井を卒業し、大学時代からコーチ、そして監督就任と、当校の野球部とともに歩んできた青山監督。前監督の指導するトレーニングを部員たちと受ける中で、元々60キロだった体重が70キロを越えた頃、それまではノックを打っても外野の定位置に届くかどうか、というところだったのが、余裕で飛ばせるようになった。自分自身で身をもって身体作りの大切さを実感するのと同時に、部員たちにも変化が現れた。

長野高校野球部のグラウンド練習の様子取材当日はグラウンド練習解禁2日目。選手たちはグラウンドでプレーできる喜びを感じながら一生懸命にトレーニングに精を出していた。

県でも一番の歴史と進学率を誇る長野の校舎は、私立の大学と見間違うほど広大であり、先進的な建物である。だが、校舎の南には木造二階建ての『金鵄会館』という旧校舎が昔と変わらぬ姿で存在し、古き伝統と最新の技術が見事に調和されている。多くの著名人を輩出していて、野球部のOBにはあの有名な北村晴男弁護士がいる。厳しい受験を勝ち抜いた野球部の生徒たちは、長い伝統を受け継ぎ、日々勉学と部活動の両立に励む。

「就任した6年前にはすでに本格的な食トレを行っていた」と宮崎俊彦監督は口を開く。前任監督の意志を引き継ぐ形となったが、以前から食トレには興味を持っていたと言う。
「野球の技術は昔に比べ格段に進化を遂げています。その中でいかに強豪校と互角に戦えるかと考えたとき、食事の面で差を縮めなければと感じていました。やはり公立校なので、優秀な選手を多く集められるわけではない。技術的な部分では劣っていても、身体つきや、パワーだけは負けないものを作っていかなければまともに戦えません」。

技術面はまだまだと宮崎監督は謙遜するが、一昨年の秋の大会では県大会ベスト4まで勝ち上がり、第88回選抜野球大会の21世紀枠候補にまで選出された。野球部は着々と県の中でも実績をあげている。選手たちは先輩たちの活躍を間近で見て、身体を大きくする意義をしっかりと感じているはずだ。

身体の質を高め野球に生かす

食トレに対しては、専門のトレーナーに絶大な信頼を置き、月1回の訪問指導をはじめ熱心な指導を受けている。食事の重要性については、選手たちも理解し、自主的に取り組んでいる。

「やはり体重が増えれば、打球の飛距離、球速というものは上がります。今までMAXの力で出していたものが、7、8割の力で出せるようになる。身体を大きくし、パワーをつけることが大切だと選手たちも十分わかっていますから。しっかり栄養を補給すれば、ケガのリスクも減りますね」と監督は続ける。

室内練習場の中に貼られた長野高校野球部選手個人個人の目標シート室内練習場の中には個人個人の目標シートが貼られている。

食事以外にも、週に一度理学療法士に来てもらい、身体のしくみについて選手たちは多くのことを学び、ケガによる長期の離脱を未然に防いでいる。県で一番、そして全国でもトップクラスの偏差値を誇る頭脳は飲み込みも良く、理解するスピードは非常に速い。他人に言葉で説明するときも、わかりやすく、簡潔に物事を伝えられるのは彼らの特徴のひとつと取材時に強く感じた。

厳しい環境も覚悟の上、勉強と野球に全力を注ぐ

過去には冬季オリンピックも開催された地の冬は厳しい。取材当日の2月下旬も道の脇に雪が残っており、グラウンドに出て練習するのはまだ今年2回目ということであった。グラウンドに出られない冬は、身体づくりという名目で食トレとウエイトに多くの時間を費やす。ひと冬を越え、練習試合が解禁となれば他校との身体つきと比べることができ、そこで自信も深められると選手たちは口を揃える。雪が残っていると転倒の可能性があり、走り込みも容易ではないが、室内で基礎的なトレーニングと、先進的な器具を使ったトレーニングで汗を流す。

「身体づくりには、バテない体力を作るという側面もあります。心肺機能を高める器具を使った練習も今年から取り入れました。食事で身体を大きくし、トレーニングで強くする。ただ、今冬は体育館のひとつが工事をしていたので、外で風が吹きさらしの中、ウエイトトレーニングすることもありました」。

室内ではバットを黙々と振り込む長野高校野球部の選手たち室内ではバットを黙々と振り込む姿が見受けられた。

また、進学を念頭に置いた学生生活の中で、勉学と部活動の両立も想像以上に難しい。しかし、野球部の生徒たちはそれを覚悟の上で入部する。練習後に勉強をするのではなく、朝の目覚めの時間を早くし勉強に取り組むなど、時間を有効的に使っているという。彼らはむしろ両立をすることに価値を感じているのではないかと宮崎監督は言う。
「選手も大変ですが、保護者だって毎日ご飯をたくさん食べさせないといけないから大変ですよね。勉強との両立は難しいですが、選手たちはやる意義を感じているからこそ、弱音を吐くことはありません」。
食トレを学ぶことは、また新たな知識を彼らの頭脳へ加えることにもなる。厳しい環境の中、多くのことを学び今後の人生に生かすのだろう、雪解け道を歩きながら、そう感じた。

長野高校野球部宮崎俊彦監督
宮崎俊彦 (みやざきとしひこ)
1968年8月17日生まれ。長野県長野市出身。長野から東京学芸大学へ進学。会社員を経て、教員の道へ進む。軽井沢、長野西を経て、母校の長野で監督に就任。

「食トレ」選手の声

長野高校野球部宮澤太成くんの食トレの成果宮澤太成くん(3年/投手兼外野手)

入学当初は65キロしかなかった体重が、2年で80キロまで上がった宮澤くん。チームでも一番の伸び率の要因は計算された食事配分にあった。

「1日のご飯の量は、目標体重の30倍です。80キロまで上げたかったので、ご飯は1日2400グラム食べました。朝は500グラム、昼と夜は800グラムずつ。そして学校の休み時間に食べられるように100グラムのおにぎりを3つ。これを毎日食べていましたね。入部したときは半分の量も食べられなかったですけど、先輩たちや、周りの学校の身体つきに負けられない、そう思って頑張りました。多く食べるコツは『速さ』です。お弁当はすぐ食べられるようにタッパーにご飯を詰めて、レトルトのカレーをかけ一気に胃にかきこみます。投手合宿にも行って、サプリメント類もいいけど、やっぱり食べることが一番大切だと専門家の方に教えてもらいました」。

ケーキなど甘いものが好きだが、糖質はしっかり控える。しかし、誘惑も多いのが高校生の悩みと言う。
「クラスで野球部以外の生徒が、ファストフードを持ち込んだりすると、その匂いが…(笑)。でも、野球のために我慢しています。昨秋から投手のポジションもやっているので、春はエースナンバーをつけてマウンドに立つことが今の目標です」。

管理栄養士のお弁当チェック!

栄養士による長野高校野球部員のお弁当チェック

うなぎを巻いた卵焼きやオムライスなど、卵料理にお母さんのアイディアが光ります。卵料理は筋肉が喜ぶメニューでもあるのでオススメです。純和風仕立てのひじきの煮物や昆布の和え物、さらにサラダやフルーツまで。とってもスマートですし、手間がかけられています。絶対に残さずに完食して「感謝の意」を示しましょう。

長野高等学校

所在地:長野市上松1丁目16-12
学校創立1883年
主な戦歴2015年夏・長野大会準々決勝、2015年秋・長野県大会4位、2016年夏・長野大会3回戦